「米国では、アマゾンで100万円超のLANスイッチが普通に売れている。日本も早晩そうなるだろう」
企業向けネットワーク機器のオンライン販売についてそう話すのは、ネットギアジャパンでマーケティングマネージャーを務める曽利雅樹氏だ。最近は定価20万円(実勢10万円程度)の10GEスイッチが「日本のアマゾンでもよく売れている」という。
ネットギアは従来、SIer等の販売網と同様にEC(eコマース)チャネルにも力を入れており、国内ではアマゾンと、NTTレゾナントが運営するNTT-X Storeで企業向け製品を販売している。かつては1~2万円のハブが売れ筋だったが、今や、VLANやQoS、接続認証等の機能を持つ「スマートスイッチのような高単価の製品も抵抗なくECで買う人が増えている」。
NTTレゾナントが運営するオンライン通販ショップ「NTT-X Store」。ネットワーク機器についても、コンシューマ向け、法人向け問わず多彩な商品が並ぶ(価格は8月4日時点)。左はネットギア専用ページ。Cisco Startシリーズは、「特にルーターに力を入れて販売している」(店長の中田氏) |
とはいえ、企業向けネットワーク機器メーカーのうち、ネットギアは特異な存在とも言える。他メーカーのECチャネルの強化はこれからの状況だ。
2015年9月に中堅中小企業(SMB)向け製品「Cisco Startシリーズ」を発売したシスコシステムズは、改めてECを重要なチャネルと位置付け、NTT-X Store等で販売するほか、今年4月には独自の「Cisco SMBマーケットプレイス」も立ち上げた。他メーカーにも、SMB向け製品を主軸にECに注力する動きが見られる。
PC/サーバー等と比べると、企業向けネットワーク機器のEC販売量は小さなものだったが、その存在感は今後確実に増していくだろう。曽利氏によれば、同社の企業向け売上のうちすでに「1~2割がECで、年ごとに倍々で伸びている」状況だ。