「利益が取れる加入者を可視化する」、米GigamonのフーパーCEOが語る

活況を呈するネットワークトラフィック可視化市場でも特に著しい成長を続けている米Gigamon。CEOを務めるフーパー氏に、詳細なカスタマー分析を可能にする新ソリューションについて聞いた。

NFV環境もいち早くサポート――具体的な仕組みと効果について教えてください。

フーパー 我々が「サブスクライバー・アウェア・ビジビリティ(加入者を意識した可視化)」と呼ぶソリューションは、まずトラフィックを制御用パケットとユーザープレーンのパケットに分離します。この両者の相関を分析する「Correlation Engine」によって、トラフィックがどの加入者のものであるのかを検知したうえでフィルタリングを行い、管理・モニタリング用ツールに必要なデータだけを渡します(図表)。トラフィックを監視・解析するツールや不正利用を検知するツールなど、ツールの目的ごとに最適なデータを送り込むことができるのが特徴です。

“どの加入者のトラフィックか”を認識した上でこれが行えるのは我々のソリューションだけです。

図表 Gigamonのサブスクライバー・アウェア・ビジビリティ・
ソリューション
(クリックで拡大)
図表 Gigamonのサブスクライバー・アウェア・ビジビリティ・ソリューション

もし、このソリューションがなければ、キャリアはすべてのトラフィックを管理・監視ツールで受け取って解析しなければならなくなります。それには、監視ツールを高性能なものに入れ替えるための莫大な投資が必要になりますが、Gigamonがその前で“ふるいにかける”役割を果たすことで、コストを抑制しつつ加入者ごとの詳細な可視化・分析が可能になるのです。

これを導入したお客様は、平均すると7カ月で投資回収されています。

――投資を抑えながら、キャリアにとって価値の高い加入者を見分けることができるということですね。

フーパー その通りです。トラフィック全体の10%程度をサンプリングデータとして抜き出して分析するという方法を取っているキャリアもありますが、それでは意味を成しません。データを抜いた瞬間の“スナップショット”がわかるだけで、音声通話と動画視聴、SNSにそれぞれ何%のデータを使っているかといった程度しか把握できないのです。

Gigamonのソリューションはそれとは異なり、一定の期間に「どの加入者が何をしていたのか」「その品質がどうだったのか」といった重要な情報を得ることができます。膨大な加入者の中から“フォーカスすべき対象”を見分け、かつ、その加入者の動向を詳細に分析できるのです。もちろん、カスタマー全体のエクスペリエンスを向上させることにも役立ちます。

また、このソリューションはNFV(Network Functions Virtualization)にも対応しています。多くのキャリアが導入を進めている仮想インフラ上のトラフィックについても、物理環境と同様に補足し可視化することが可能です。テスト段階も含めて、すでにNFV環境に実装されているお客様もいます。

月刊テレコミュニケーション2016年9月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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