NTTドコモは2016年9月21日、国家戦略特区の新潟市において、ドローンを活用した水稲のモニタリングおよび栽培管理、海岸保安林のマツ枯れ対策および維持管理の手法開発を目的とした、ドローン実証プロジェクトに関する連携協定を締結した。
実証プロジェクトにおけるドコモの主な役割は、カメラを搭載したドローンが上空で撮影した画像データの分析を行うこと。ディープラーニングを用いた画像分析で、一部オプティムと連携しながら実施するという。
この実証プロジェクトは、「水稲プロジェクト」(予定時期:2016年9月21日~2018年3月31日)と「海岸保安林プロジェクト」(予定時期:2016年9月21日~2017年3月31日)から成る。
水稲プロジェクトはドコモ、新潟市、ベジタリア、ACSLによって実施される。水稲の病害虫の発生状況の監視や収穫時期の予測を目的にドローンを活用。コメの品質向上や収穫量増加に取り組む。
水稲プロジェクトの実証イメージ図 |
これまで病害虫の発生や収穫時期は、目視および水稲向け水管理支援システム「PaddyWatch」などのセンサを活用していた。しかし今回、ドローンに搭載したカメラで上空からも水田の状況を把握し、その空撮画像を分析することで、より精度の高い収穫予測が期待できるという。
海岸保安林プロジェクトはドコモ、新潟市、ベジタリア、エアロセンスが実施する。海岸保安林のマツ枯れ対策や維持管理の手法開発を目的にドローンを活用し、伐倒駆除の効率化とマツ枯れ被害の防止に取り組む。
海岸保安林プロジェクトの実証イメージ図 |
これまでマツ枯れ被害対策では、被害状況の目視確認をもとに、被害木の伐倒駆除を行っていた。今回のプロジェクトでは、ドローンで取得した空撮画像の分析結果とGPSによる位置情報を用いて、より的確に被害木をピンポイントで特定することが期待される。また、空撮画像を立体視して被害木の高さを測定する取り組みも予定しており、伐採業者による被害木の高さを測定する作業の省略を狙う。