大日コンサルタントが次期ネットワークに求めた要件2015年初頭から次期ネットワークに関する具体的な検討を開始した大日コンサルタント。同社が新たなネットワークに求めた要件は以下の通りだ。
1.BCP対策
障害や災害に強いネットワークであること。
2.閉域網
インターネットではなく、閉域網で拠点間ネットワークを構築でき、高いセキュリティを実現できること。
3.インターネット接続の一元化
インターネットゲートウェイを一元化でき、セキュリティなどの設定を拠点ごとに個別に設定する必要はなく、集中管理できること。
4.ネットワーク機器管理のアウトソーシング
ネットワーク機器の保守・メンテナンスのアウトソーシングにより、運用管理負荷を軽減できること。
5.拠点の開設の容易さ
全国で社会資本整備を行う大日コンサルタントは、事業拡大に伴う事務所の新設や移転を行う機会が比較的多く、事務所のネットワークについても容易に開通できること。
6.セキュアなリモートアクセス
社外からノートパソコンなどを使って、セキュアに社内ネットワークへ接続できること。
土木学会田中賞を受賞した鵜飼い大橋(岐阜市)は大日コンサルタントの代表的プロジェクトの1つ |
逆転で「KDDI WVS 2」を選択した理由こうした要件を示し、3社から提案を受けた同社。最終的に選んだのは、KDDIのイントラネットサービス「KDDI Wide Area Virtual Switch 2」(KDDI WVS 2)だったが、実は別の通信事業者で「ほぼ決まりかけていた」(河本氏)という。
“逆転”の決め手となったのは提案力。「うちは“攻めの営業”が好きなんですよ。我々の要望をうまく引き出し、後追いではない、積極的な提案をしてくれました」と経営管理本部 企画部長の渡部正樹氏は明かす。
KDDI WVS 2の具体的な機能でいうと、まずはインターネット接続が冗長化されていることを高く評価した。
大日コンサルタントの新ネットワークは、各拠点からKDDI WVS 2経由でインターネットに直接接続する構成になっている。拠点間通信に加えて、インターネット接続にもKDDI WVS 2を活用しているわけだが、KDDI WVS 2のインターネット接続機能はBCP対応。例えば、東日本エリアで大規模災害が発生し、東日本エリアのインターネット環境に障害が起こると、自動的に西日本エリアのインターネット環境に切り替わる機能を標準で備えている。
BCP強化をネットワーク更改の最大の狙いの1つと位置づけていた同社にとって、これは非常に大切なポイントだった。
また、インターネットとのゲートウェイ機能がクラウドサービスとして提供される点にも着目した。しかも、UTM機能も利用できる。
このためルーターやファイアウォールなどを自社で所有して保守する必要がない。前述の要件の中に「ネットワーク機器管理のアウトソーシング」と「拠点の開設の容易さ」があったが、この2つの点でもKDDI WVS 2が最も魅力的だった。