2014年に開催されたFIFAワールドカップ ブラジル(以下、ブラジル大会)だが、現実世界ではサッカーの熱戦が繰り広げられる一方で、インターネットの世界ではサイバー攻撃が繰り広げられていた。
サイバー攻撃を仕掛けたのは、「ハクティビスト」といわれる政治的ハッカーだ。ハクティビストというと日本では「Anonymous(アノニマス)」が有名だが、同様のハッカー集団として、「LulzSec(ラルズセック)」「TeaMp0isoN(チームポイズン)」などがいる。
サイバー空間のアクティビスト(活動家)である彼らは、自分たちの政治的主張を広めるため、敵と見做した機関や企業のWebサイトなどを攻撃する。サイトのページを自らの主張やロゴに改ざんしたり、Webサーバーに大量の通信トラフィックを送りつけるDDoS攻撃でWebサイトをダウンさせたりして世間を騒がせ、政治的主張をアピールするのだ。
アカマイ CTO アジア太平洋・日本地域のセキュリティ担当 マイケル・スミス氏 |
数カ月前から、日本でもDDoS攻撃をはじめとするサイバー攻撃が目立ち始めている。
「これから2020年の東京オリンピック・パラリンピック(以下、2020東京五輪)まで、サイバー攻撃が続くと予測している」――。そう語るのは、アカマイ・テクノロジーズ CTO アジア太平洋・日本地域のセキュリティ担当 マイケル・スミス氏だ。2008年からハクティビストについて研究しており、同社の顧客をウィキリークスによる情報漏えいやDDoS攻撃から守ってきている人物である。
同氏によれば、ハクティビストの攻撃にはパターンがあるという。日本でも活発化している彼らの攻撃パターンを、ブラジル大会を例に確認しよう。