「Windows+Azure IoTはベストシナリオ」 ―― マイクロソフトがIoT戦略を説明

用途ごとに3エディションを提供
Windows 10 IoTは、3種のエディションが提供される。


Windows 10 IoTの3種類のエディションの比較

1つ目が、x86プロセッサ向けの「Windows 10 IoT Enterprise」だ。Windows 10のすべての機能を備えたエディションであり、高度なセキュリティ機能やロックダウン機能(リソース制限や機能制限によってシステムを特定用途化する)を備える。基幹業務アプリケーションの実行や、ミッションクリティカルなデバイスにおける機能の実行を目的とするもので、POS端末やキオスク端末、医療機器、FA機器などへの組み込みを想定している。

2つ目は、ARM向けの「Windows 10 IoT Mobile Enterprise」。Windows 10 Mobileをベースとした、モバイルPOSや小型の業務端末向けのエディションだ。

そして3つ目が「Windows 10 IoT Core/Core Pro」である。IoTゲートウェイなど、コストとリソースに制約のある小型デバイス向けに最適化したエディションで、x86、ARMの両方をサポートする。デジタルサイネージやスマートホーム機器など、多様なデバイスでの利用を想定しているという。


1つのUWPアプリを各種のWindows 10デバイスで利用できる

これら各エディションの搭載機器、およびPCやモバイル、XboxといったWindows 10を搭載するすべてのデバイスは、共通プラットフォーム「ユニバーサルWindowsプラットフォーム(UWP)」上で稼働する。このUWPがマイクロソフトIoT戦略の第1の強みだ。

IoTテクニカルセールス担当ゼネラルマネージャーのカール・コーケン氏は、「1つのUWPアプリをすべてのWindwos 10搭載機器で利用できるため、高い投資効果が得られる」と話した。「開発スキルの再利用が可能で、1つのデバイス向けにアプリを開発したチームを別の分野で再利用できるなどビジネスの柔軟性が向上する」とその利点を説明した。また、Windows 10 IoT機器の管理についても、他のWindows 10デバイスと同様に、Microsoft IntuneやMDM(モバイルデバイス管理)から一貫して行える。

このほか、IoTで重要となるセンサーや外部コントローラなどの周辺機器との接続性についても、「標準バスをサポートしており、UWPアプリからセンサー等のハードウェアにアクセスできる」仕組みを用意している。GPIO(General Purpose Input/Output)、I2C(I squared C)、SPI(Serial Peripheral Interface)で接続された電子コンポーネント、周辺機器をアプリから制御することができる。

また、Windows 10以外のプラットフォームとの連携も可能だ。Windows 10 IoTには「Alljoynをインプリしているため、非Windows端末とも通信できる」(コーケン氏)。これにより、AndroidやLinux等のデバイスとも連携した動作が可能になる。

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