UCとの連携にも対応東郷氏は講演の後半でmoconaviの具体的な機能を、デモを交えて説明した。moconaviは、レコモットが開発した専用アプリをモバイルデバイスに導入し、管理サーバー(ゲートウェイ)を経由して企業のグループウェアサーバーなどと接続することで、モバイルデバイスで業務システムを安全に利用できるようにするものだ。
moconaviのアプリには、メール、セキュアブラウザ、アドレス帳、カレンダー、ダイヤラー、CRM、ドキュメントビュワーなどの機能が搭載されている。「拡張アプリ」を利用して企業の業務システムやクラウドサービスにアクセスすることも可能だ。Office 365やSalesforceなどの代表的なクラウドサービスとの連携機能は標準でサポートされている。
moconaviのアプリは、他のアプリケーションと切り離されたサンドボックス上で実行されているため、他のアプリケーションからはデータを扱うことができない。このため仮にデバイスにマルウェアが侵入しても情報が流出する危険がない。データの保存も、デバイスの内部ではなくクラウドや社内のサーバー上で行われる。セキュリティレベルを低下させるJail Break(脱獄)やroot権限の奪取がなされるとアプリの動作を止める機能も搭載されている。これらの手法によって極めて高いセキュリティレベルが実現されているのだ。
これに加えて東郷氏がmoconaviの大きな特徴として挙げるのは、「業務システムだけでなく、ユニファイドコミュニケーション(UC)やWeb会議などの音声通信との連携が可能であること」だ。
例えば、Cisco CUCM(Cisco Unified Communications Manager)やキャリアのFMCサービスなどと連携して、moconavi独自あるいはExchangeなどのアドレス帳機能をデバイスにデータを残さないで利用できる。発着信履歴もmoconaviアプリで管理することが可能だ。オフィスのダイヤルインをスマホに着信させた際に発信者名を表示させることもできる。
さらに、moconaviアドレス帳からJabberを起動し、シームレスにチャット、VoIP、Web会議に参加することも可能。050サービスなどとの連携により、BYODでの音声通話の公私分計も実現できる。moconaviを導入することで、スマホ/タブレットを業務に「使い倒せる」ようになるのだ。
moconaviの導入企業は、2015年3月末時点で274社14万ID。現状では金融機関など大手企業のユーザーが多いというが、東郷氏は「中小企業にも広く使っていただけるものにしていきたい」と意欲を見せた。