ファーウェイがSDN/NFVで新技術開発――通信事業者のニーズに応えるクラウド化製品アーキテクチャ

通信事業者向けのSDN/NFVがいよいよ商用フェーズに入ってきた。大手通信インフラベンダーのファーウェイは、SDN/NFV分野での新技術の開発を進め、オープンソースのIT技術と通信技術、双方の強みを活かしビジネスの主導権を狙う。ファーウェイ・ジャパンの邵禹(シャオ・ユウ)氏に、同社のSDN/NFV戦略を尋ねた。

――SDN/NFV分野では現在どのような形で事業を展開しているのですか。

シャオ ファーウェイでは、通信事業者向けにNFVの仮想化環境、オーケストレーター、VNF(仮想化されたネットワークエレメント)をはじめSDN/NFVの全領域にわたる製品を展開しています。SDNとNFVは異なる技術ですが、当社はこの2つを相互に連携させて一括して提供していこうとしています。加えて、通信事業者向け以外にもIT分野での強みを発揮し、データセンター・企業を対象とする領域での仮想化製品を中心に開発し、お客様に革新的なトータル・ソリューションを提供しています。

通信事業者向けのNFV製品では、ここにきて数多くの仮想化IMS(IP Multimedia Subsystem)プロジェクトの開発が進み、海外では既に商用導入を発表したイタリアVodafoneのVoLTEを含め18件の商用導入事例があります。また30を超える通信事業者とPoC(概念実証試験)に取り組んでいます。IMS製品全シリーズのNFV化を実現しました。

――日本では、大手の通信事業者がNFVをまず移動通信のコアネットワーク(EPC)で導入する計画を進めています。海外ではIMSの仮想化が先行しているわけですか。

シャオ 契機となったのがVoLTE(VoiceoverLTE)なのです。VoLTEの呼制御はIMSで行われますが、海外ではLTEを運用しているような事業者にも導入が進んでいませんでした。

もともとIMSはネットワークコンポーネントの中でもITとの親和性が高く仮想化に向いています。そこで、VoLTEの展開を機に、まずIMSでNFVを導入しようとする動きがでてきました。IMSは多くの機能エレメントで構成される複雑な装置ですが、仮想化することで運用や拡張が容易になります。これが従来のIMS製品に代えて仮想化IMSが選択される大きな理由の1つになっています。

日本では、大手通信事業者3社がVoLTEを専用装置のIMSで実用化していますから仮想化IMSの導入は少し先になるでしょう。逆に仮想化EPCは、日本が海外に先んじて展開する形になると思います。

VoLTEがNFV(仮想化IMS)の導入を牽引している
VoLTEがNFV(仮想化IMS)の導入を牽引している

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