記者説明会ではまず、今年7月に日本法人社長に就任したジェイ・ウォン氏が挨拶を行った。今年150周年を迎えたノキア。製紙会社として創業したノキアは、さまざまな変革を経て現在に至るが、「2015年にも変革を遂げる」としてウォン氏が強調したのが、今年4月に発表したアルカテル・ルーセントの買収についてだ。
ノキアネットワークス 代表取締役社長のジェイ・ウォン氏(左)と、無線システムパフォーマンス特別研究員のハリー・ホルマ氏 |
これにより、ノキアネットワークスのキャリア事業収入は、業界1位のエリクソンに肉薄する2位へと浮上、時価総額ではエリクソンを超えることになり、「アルカテル・ルーセントと1つの会社になることで、業界のリーダーになれる」とウォン氏は語った。
アルカテル・ルーセント買収後のキャリア事業収入と時価総額 |
また、ソフトバンク、KDDI、NTTドコモの3事業者の主要サプライヤーであること、国内の無線/LTE市場でシェア1位であることに言及したうえで、「我々が4Gから5Gへの架け橋になる」ともアピールした。
LTE-Advanced evolutionが5Gへの架け橋にでは、ノキアネットワークスは、4Gから5Gへの架け橋をどのようにかけていく考えなのか。それを説明したのが、無線システムパフォーマンス特別研究員のハリー・ホルマ氏である。
同氏は、LTE-Advancedが4Gから5Gへの架け橋になるとしたうえで、5Gとの後方互換性を実現することで、「スムーズな形で5Gに進化できる」と語った。
LTE-Advancedの商用サービスはすでに国内でもスタートしているが、ホルマ氏によると、その進化版であるLTE-Advanced evolutionに関する議論が3GPP Release 13以降で行われているとのこと。LTEの10倍のデータ転送速度、10分の1の遅延、10倍のカバレッジ、そして100倍の容量拡大がLTE-Advanced evolutionのターゲットだ。
LTE-Advancedは、LTE-Advanced evolutionへとさらに進化 |
また、Release 13では、LTE向けのLTE仕様であるNB-IoTにも注目だという。NB-IoTは、端末側の受信帯域幅を0.2MHzと狭くし(通常のLTEは20MHz幅)、最大速度も200kbpsに抑えることで、デバイスコストの削減などを実現する。