NTTが作ったB2B2Cモデルの実験工房「アトリエN」の狙い

NTTが将来のB2B2C型のビジネスモデルを想定したサービス開発テストベッド環境「アトリエN」をスタートしている。パートナー企業による新サービスの試作・検証を支援、さらに商用化も視野に入れている。

パートナーとNTT、それぞれのメリットは?NS研では4月1日のアトリエNの開設に合わせて、APIを利用してサービスを開発する「サービス提供パートナー」とAPIを提供する「機能提供パートナー」の募集も開始している。上原氏は「多くの問い合わせを頂いており、いくつかの会社とはすでに議論を始めている」と話す。

とはいえアトリエNの開発テストベッドは、あくまで試作や検証を目的としたもので、商用利用はできない。参加費やテストベットの利用料は基本的には不要だが、アプリケーション・サービスの開発やAPIの提供に関わるコストはパートナーが負担する形になる。これらのパートナーにとって、アトリエNに参加するメリットはどこにあるのだろうか。

「サービス提供パートナー」にとって大きな魅力となるのが、商用化の可能性がある機能を利用したサービスやアプリケーションの開発に前もって取り組むことで、将来のビジネスを有利に進められる可能性があることだ。

もう1つ大きな魅力となりそうなのが、アトリエNが、試験環境の提供や技術サポートだけでなく、試作サービスの商用化を支援する枠組みも併せて整備することを検討している点だ。

アトリエNのホームページには、「可視化したサービス・アイディアを(NTTの)事業会社へ紹介・提案するなどして商用化も目指していく」とある。

APIを提供する「機能提供パートナー」にとっても、事業会社や「サービス提供パートナー」との間で新たなビジネスが生まれることが期待できる。

他方、NTTにとってはこのプロジェクトを通じて、パートナーとの協業によるサービス開発のノウハウを蓄積することが、大きな狙いとなるようだ。NS研では今年秋頃にアトリエNのパートナーが参加するイベントを開催、試作サービス例の公開などを通じて、APIを活用したサービス開発・商用化への機運を高めていきたいとしている。

月刊テレコミュニケーション2015年6月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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