“声”で業務システムを使う
さらに、業務システムとの連携も進める。図表2は小売店舗の例だ。
図表2 リテール店員の想定利用シーン |
商品の在庫を調べたい場合に「A123の在庫情報」とWT01に話しかけると、在庫管理システムを検索して結果を音声合成――「新宿支店に3着在庫があります」――で読み上げる。また、来店予約の情報をスマートフォンの画面に表示させるといった使い方も可能だ。他の業種でも、例えば配送業ならその日の配送先リストを、警備業なら巡回予定ルートを、病院なら診療予定を声で呼び出すことができる。逆に、保守点検作業において、声で作業結果を日報に入力することも可能だ。
こうした連携システムを開発するためのSDK(ソフトウェア開発キット)も提供する。WT01と音声認識サーバーのAPIを使ったiOS/Androidアプリを開発するためのもので、20セット余りを120万円で先行販売したが、2月末時点でほぼ完売した。
連携先にはIP-PBXも含まれる。
坂口氏はナースコールシステムとの連携も進めたい考えだ。現在、ナースコールを受ける端末をPHSからスマホに移行しようとする施設が増えているためだ。端末がスマホになると、呼出しに応答するだけでなく、患者の詳細情報を画面で確認できるようになる。IP-PBXメーカーがこのニーズに応えるナースコール連携ソリューションを提供し始めているが、そこにWT01とAmiVoiceを組み合わせれば、先に挙げた通話・一斉同報や声による操作が可能になり、ナースコールの付加価値が一層高まるのだ。坂口氏は病院・診療所を実際に周ってニーズを収集しており、「IP-PBXメーカーとの協業もぜひ進めていきたい」と話している。