国内IoT市場は2019年に16兆円規模へ――「特に注目は電力料金の高騰でニーズ高まるエネルギー関連IoT」

IDC Japanが国内IoT(Internet of Things)市場予測を発表した。国内IoT市場は年平均11.9%で急成長していくが、その一方で求められるのは導入業種の多様化。同社マーケットアナリストの鳥巣悠太氏は、エネルギー関連に特に注目しているという。

IDC Japanは2015年2月5日、国内IoT市場予測を発表した。これによると、2014年の国内IoT市場の売上規模は9兆3645億円で、2019年には16兆4221億円に拡大するという。年間平均成長率(CAGR)にすると11.9%だ。

国内IoT市場 売上額予測
国内IoT市場の売上額予測

IDCでは、IoT市場を7つのテクノロジー要素に分けて捉えている。今回発表された市場規模は、これら7つの合計だ。

国内IoT市場を構成する7つのテクノロジー要素
国内IoT市場を構成する7つのテクノロジー要素

IDCでは各テクノロジー要素別にも市場予測を行っているというが、今後、特に成長が加速するのは、②~⑦の上位レイヤの要素だという。「この部分は、現在のところ相対的な割合は小さいが、IoTに付加価値を与えていく要素。今後、IoTデバイスの3倍のスピードで2019年まで成長していくと考えている」とIDC Japan コミュニケーションズ マーケットアナリストの鳥巣悠太氏は説明した。

今後はIoTデバイスより上のレイヤの成長が加速
今後はIoTデバイスより上のレイヤの成長が加速

このため、予測期間の前半はIoTデバイスがIoT市場全体の8~9割を占めるが、後半になるとIoTデバイスの占める割合が7割台に下落するという。

長期的には「法規制の改善」も大きなカギに

このように国内IoT市場は急ピッチで拡大していくが、「IoTと相性の良い製造業や輸送業は(導入が)一巡しつつある」(鳥巣氏)ことから、今後は導入業種の多様化が大きなテーマとなる。

鳥巣氏が特に注目しているのは、エネルギー関連のIoTだという。「電力料金が高騰しており、例えば利益率が数パーセントの小売業などでは、店舗の光熱費が死活問題になっている」。加えて、スマートメーターの普及や電力小売の自由化という追い風もあり、エネルギー関連のIoTソリューションの導入が大きく進むという見方だ。

また、長期的な視点では、法規制もIoT市場の今後を大きく左右する。例えば現在、個人情報保護法の改正案が論議されているが、業界一丸で法規制の改善に向けた働きかけを行っていくことが重要だとした。

国内IoT市場の活性化に向けたIDCの提言
国内IoT市場の活性化に向けたIDCの提言

関連リンク

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

FEATURE特集

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。