メガネ型や腕時計型など、ウェアラブルデバイスの形状は、我々が日常的に身に着けてきたモノの形状を模していることが多い。いかに自然に身に着けられるかが、ウェアラブルデバイスにとっては極めて重要だからだ。
メガネや腕時計を普段身に着けていない人は多いが、外出中の人なら全員が身に着けているモノがある。それは“服”である。1月16日まで東京ビッグサイトで開催中の「第1回 ウェアラブル EXPO」では、服などをウェアラブルデバイス化するための特殊な繊維も数多く展示されていた。
カラダの動きを検出・データ化できる繊維
関西大学と帝人が共同出展していたのは、繊維が変形すると圧電信号が出る「ポリ乳酸 圧電ファブリック」である。カラダの曲げやねじりといった動作を検出できる。
このファブリックで服型のウェアラブルデバイスを作成すれば、着用するだけで人間の動きをデータ化することが可能だ。説明員によれば「2~3年以内」の実用化を目指しているという。
動作を検出できる「ポリ乳酸 圧電ファブリック」で作られたYシャツに革ジャン、そして割烹着 |
カラダの動きをデータ化するためのウェアラブルデバイスは、ヤマハのブースにも出展されていた。ピアノの上達には指運びが重要だが、指の動きを可視化するための手袋型ウェアラブルデバイスである。こちらは、ゴムのように伸縮する薄型ストレッチャブル変位センサを手袋に取り付けることで、指の動きを計測している。
指の動きをデータ化する手袋型ウェアラブルデバイス。黒くて細い線状のものが、薄型ストレッチャブル変位センサだ |
また、グンゼのブースで展示されていたのは導電性ニットだ。肌触りのよいニット素材でウェアラブルデバイスなどを作ることができる。ブースではその活用例として、ニット素材のキーボードや埋め込まれた電球が光るニットなどが展示されていた。
ニット素材でできたキーボード。鍵盤を押すと、スピーカーから音が出る |