顔認証とウェアラブルの連携が鍵に
稲葉氏はさらに、GEOCRMのようなクラウド型位置情報連携サービスの今後の発展の方向性にも言及した。準天頂衛星システムの登場とウェアラブルデバイスの普及が、その進化を牽引するという。
準天頂衛星システムは、誤差3センチという高精度測位を実現するもの。すでに日本では技術実証衛星が1基運用されているが、2017年から2019年までに3基が追加され、本格運用が始まる見込みだ。
「高精度測位はさまざまな用途で活用されると考えられる。特に時空間認証システムと連携させることにより、動産担保の管理などの分野で大きな市場が形成される可能性が高い」
準天頂衛星の意義 |
さらにこれを「Google Glass」などのウェアラブルデバイスで利用可能にすることで、前述の「脳の記憶補助装置」を大幅にパワーアップさせられるという。例えば、顔認証技術を用いて、街ですれ違う人の中から、特定の人物のプロフィールを表示させるといった使い方だ。店舗に得意客が来店した場合、スタッフが購入履歴を見ながら接客するなどの使い方も考えられる。
「位置情報」と「デバイス」、システム上の「記録」を組み合わせることで、ワークスタイルを大きく変えることができるというのである。
ウェアラブルと顔認識技術の連携例 |
なお、顔認証では、顔写真のデータベースをどうやって構築するかが課題になる。そこでGEOCRMでは、名刺情報から顧客データを登録すると同時に、インターネットをクロールして顔写真を探し出し、顔写真付きデータベースを自動構築する技術を開発。現在、特許を出願しているという。
このように、脳の記憶補助装置を進化させていくことで、ワークスタイルを大きく変革していける――。ナレッジスイートは、位置情報やウェアラブルなどを活用し、未来のワークスタイルを実現していこうとしているのだ。