デバイスを管理対象とするMDMに対して、アプリケーションやそのデータを管理対象にするMAM(モバイルアプリケーション管理)――。BYODにも適しているとあって、最近MAMへの注目が高まっているが、ITRが2013年11月12日、国内MAM市場予測を発表した。
2012年度に14億円だったMAM市場は、2017年にはほぼ50億円規模に成長するという。年間平均成長率(CAGR)は28.3%だ。
ITRでは、MAMを大きく「アプリ配信型」と「ゲートウェイ/ブラウザ型」に分けて調査を行っている。アプリ配信型はネイティブ・アプリをデバイスに配信するMAM、ゲートウェイ/ブラウザ型は企業のサイト内に構築された業務アプリケーションをゲートウェイ層でスマートデバイス向けに最適化するMAMである。
アプリ配信型のMAM市場はまだ立ち上がったばかりのため、現時点での実績ではゲートウェイ/ブラウザ型で優勢だ。しかし、アプリ配信型は今後CAGR172.4%で急成長し、2017年度には18億円規模に達するという。
モバイルアプリケーション管理市場規模推移および予測(売上金額ベース) |
ITRの舘野真人シニア・アナリストは、2タイプあるMAMの使い分けについて次のようにコメントしている。「ネイティブ・アプリによる機能拡張はスマートデバイスの重要な価値のひとつであり、その特性を業務にも活かしたいと考える潜在的なニーズにより、今後アプリ配信型の導入が優位に進むと見ている。また一方で、メールの送受信やスケジュール管理などの比較的ライトな活用シーンでは、デバイスにデータを保存する必要のないゲートウェイ/ブラウザ型も根強い支持を獲得し続けるだろう。将来的には、スマートデバイスの活用パターンや業務の特性に応じて両者のタイプを使い分けたり、あるいは1台で併用したりといった運用が一般化する可能性が高い」