社内SNS成功マニュアル[前編]――9割の企業が社内SNS導入に失敗という現実

FacebookやLINEなど、SNSは新しいコミュニケーションツールとしてすっかり定着した。企業の中も例外ではない。今、「社内SNS」を導入する企業が拡大している。ただ、安易な社内SNS導入は禁物だ。「社内SNS導入の成功率は10%」とするレポートもある。本特集では、社内SNSの現状や成功のポイントを全3回で紹介していく。

「今後数年で48.0%の企業が利用を開始する」――。昨年、IDC Japanがこんな予測を発表して話題を呼んだ(関連記事)。

約半数の企業が導入すると予測されているのは企業内ソーシャルだ。FacebookやTwitter、LINEなどでお馴染みのソーシャル技術を、企業内コミュニケーションの活性化や情報共有の効率化などに応用したのが企業内ソーシャルである。エンタープライズソーシャル、社内SNSなどとも呼ばれている。本稿では、基本的に社内SNSと呼ぶことにする

日本では2007年ごろから社内SNSの活用が始まったが、飛躍の年を迎えたのは2011年だ。ちょうどその年の1月に、Facebookの創業者をモデルにした映画『ソーシャル・ネットワーク』が国内公開。SNSに対する認知度は一気に高まり、社内SNSの導入にも火がついた。「2011~2012年にかけて本当に大きく躍進した」。社内SNS「Salesforce Chatter」を提供するセールスフォース・ドットコム マーケティング本部 プロダクトマーケティング シニアマネージャーの田崎純一郎氏はそう証言する。

社内SNSへの関心の高さは、グーグルでのキーワード検索回数からも見て取れる。大手企業向けの社内SNS「SKIP」(関連コンテンツ)を提供するソニックガーデン 代表取締役副社長 COOの藤原士朗氏によると、「社内SNS」というキーワードでの検索回数は、今や「グループウェア」の検索回数と肩を並べるレベルになっているという。「社内SNSという言葉がかなり浸透してきていることが分かる」(藤原氏)。

IDC Japanが今年7月、従業員10人以上の企業1058社を対象に実施した調査によれば、社内SNSを利用している企業は回答した854社のうち、16.5%に上った。もはや社内SNSは、企業にとってもの珍しいコミュニケーションツールではない。

図表1 例えばこんな著名企業たちも社内SNSを活用している
野村證券の社内SNS導入事例 NTTデータの社内SNS導入事例 トヨタ自動車の社内SNS導入事例 公文の社内SNS導入事例
ガリバーインターナショナルの社内SNS導入事例 損保ジャパンの社内SNS導入事例 JTの社内SNS事例 コクヨファニチャーの社内SNS導入事例
イプサの社内SNS導入事例 TISの社内SNS導入事例 陣屋の社内SNS導入事例 KDDIの社内SNS導入事例
※ロゴをクリックすると、business network.jpまたは社内SNSベンダーのWebサイトの事例記事ページにジャンプします

「従来ならメールでやりとりするのが当たり前だったが、プライベートでは今やLINEやFacebookが主流。メールを使う機会は少なくなっているが、同じことが仕事上でも起きていると我々は理解している」。社内SNS「Co-Work」や「エアリー」を提供するガイアックス コーポレートコミュニケーション推進部 Co-Workサブ・リーダーの小谷美佳氏はこう話すが、社内SNSの業務活用は企業にとって“当たり前”のものになっていくだろう。

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