社内SNSで企業力アップ![第2回]NTTデータとイプサの成功に学ぶ「社内SNS」導入のポイント

大企業を中心に成功事例が続々と登場している社内SNS。第2回は、NTTデータとイプサの事例から社内SNS導入のポイントを学ぶ。

セクショナリズムの打破が目的だったNTTデータ

NTTデータが、2006年4月に社内SNS「Nexti」を立ち上げた目的は社内のセクショナリズムを壊すことだった。その契機となったのは、NTTデータグループが目指すべき姿を描いたグループ経営ビジョンを実現するために10項目からなる行動ガイドラインを2005年に策定したことだ。行動ガイドラインは、NTTデータグループ社員の取るべき考え方や行動の仕方を示している。行動ガイドラインを絵に画いた餅に終わらせないよう、同社は「新・行動改革ワーキンググループ」を2005年秋に発足させた。ワーキンググループのメンバーは社員から公募し、事務局がチームとして編成した。チームのミッションは、行動ガイドラインを永続的に実効あるものとする施策を打ち出すことだ。

行動ガイドラインの1つである「セクショナリズムの打破」をミッションとしたのがリスペクターズというチーム。リスペクターズの面々は、セクショナリズムを打ち破るために部門の壁を超えて社員同士が接することができる仕掛けを作ろうと考えた。その仕掛けとして採用したのが社内SNSだ。当初、着目したのはイントラネットにある電子電話帳だった。

電子電話帳は同社で最もよく使われているシステム。メンバーの1人である第四金融事業本部第二郵政事業部営業企画担当課長の竹倉憲也氏は、社員の名前だけでなく、顔写真や得意技、人脈を記載すれば社内のコミュニケーションがよくなるのではとチームに提案した。そのとき、若い社員が「それはmixiに似ているね」と述べた。竹倉氏は「やってみよう」とその日のうちにmixiに招待してもらい、「まさにこれだ」と思った。リスペクターズは早速、社内版mixiを設けることを経営会議に提案した。了承を得て2006年4月にNextiがスタートした。

NTTデータの社内SNS「Nexti」の画面 NTTデータの社内SNS「Nexti」の画面 [クリックで拡大]

会社の壁も越える

リスペクターズは、Nextiを立ち上げるに当たって、カジュアルであること、フレンドリーであることにこだわった。顔写真や趣味はもちろん、社内システムなら記載されそうもない血液型までプロフィールに掲載OKとした。また、完全実名制としながら、役職は記さないことにした。気楽でありながらマジメ、かつ役職を離れて個人と個人とがつながれる場をつくろうと考えたのだ。

月刊テレコミュニケーション2010年5月号から転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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