KDDIは2013年7月30日、2013年度第1四半期決算を発表した。営業収益は前年同期比16.3%増の1兆24億円、営業利益は同89.6%増の1787億円と増収増益だった。
KDDI田中孝司社長 |
「auスマートバリュー」によりモバイルとFTTHの純増が順調に増えるとともに、auの通信ARPUが予想を上回る好進捗となったことが寄与した。また営業利益については、J:COMの連結化の影響や、昨年同期の周波数再編コストがなくなったこともプラスに作用したという。これにより、第1四半期としては初めて1兆円を突破したほか、営業利益も過去最高を記録した。
第1四半期としては初めて営業収益が1兆円を突破 |
セグメント別の業績は、「パーソナル」の営業収益が前年同期比17.8%増の7846億円、営業利益が同107.8%増の1352億円。バリューは営業収益が同41.4%増の491億円、営業利益が同34.9%増の136億円。ビジネスは営業収益が同0.9%増の1577億円、営業利益が同67.9%増の255億円。グローバルは営業収益が同26.8%増の587億円、営業利益が同61.0%増の22億円といずれも増収増益となった。
auの純増数は66万9000件で、年間計画の230万件に対し進捗率は29.1%。第1四半期の解約率は0.56%と業界最低水準をキープしており、6月は0.51%と過去最低を更新した。田中孝司社長は「驚くほど解約率が下がっている。これはauスマートバリューの効果によるところが大きい」と述べた。
auスマートバリューは、au契約数が463万契約、固定通信の世帯契約数が249万契約で、世帯内au契約数は今年3月の1.82から1.86へと着実に拡大している。スマートフォンの新規契約の36%、「auひかり」の新規契約の60%が加入しており、auスマートバリュー加入者の解約率は、非加入者の約3分の1にとどまっているという。
auスマートバリューは新規契約の獲得に貢献している |
また、「auスマートパス」の会員数は682万で、年間計画の1000万に対し進捗率は25.4%。第1四半期の付加価値ARPUの全体平均は260円だが、スマートフォンユーザーの平均は380円と大きく上回り、「auスマートパスが付加価値ARPUの底上げに貢献している」(田中社長)としている。
auスマートパスが付加価値ARPUを底上げしている |
KDDIでは今年度、3M戦略を発展させるため「スマートリレーションズ構想」を掲げる。auスマートパスでは「タイムラインUI」を導入し、auショッピングモールなどリアルとの連携を強化している。また、スマートフォン利用層の拡大を受けて、専任アドバイザーが24時間体制で電話サポートを行う「auスマートサポートセンター」などサポート体制を拡充しており、40歳以上の中高年を中心に利用されているという。