Androidでは必須のセキュリティ製品との連携
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Android OSとiOSは、セキュリティ機能の充実度で比較されることが多い。OSや端末自体の機能を比べれば、未だにiOSに一日の長がある。Androidを狙ったマルウェアは急速に増加している。また、iPhone/iPadと異なりAndroid端末の多くは、SDカード等の外部ストレージが使えるため、OS標準の暗号化機能だけでは不十分で、ユーザーが独自に対策を用意する必要がある。
業務アプリの開発のしやすさからAndroid端末を利用したいのだが、十分な情報漏えい対策が行えないためにiPhone/iPadを使わざるを得ない――。そうした企業は少なくない。そこでニーズが高まっているのが、アンチウィルスやURLフィルタ、ファイル暗号化製品/サービスだ。また、強固な端末認証を行うための電子証明書サービスも人気が高い。
ただし、これらを個別に導入すれば、管理負荷が増大することになる。この課題を解決するため、MDMと前記のセキュリティソリューションを連携させ、MDMの管理コンソールから一元管理できる仕組みを提供する動きが進んでいる。
連携推進する認定プログラム
例えばユニークな取り組みを始めたのが、「CLOMO MDM」を提供するアイキューブドシステムズだ。iPhone/iPad、Android向けの両方のMDMを展開している同社は、2012年11月、「CLOMO Certified Products」協業プログラムを開始した。他社製品群とCLOMO製品との連携を検証し、明示。連携ソリューションを明確にすることで、ユーザー企業に幅広い選択肢を提供するのが狙いだ。
前述のカテゴリーではマカフィーのアンチウィルス製品や、デジタルアーツのWebフィルタリング製品などが連携可能な製品として認定されているほか、F5ネットワークスのVPN製品なども含まれる。今後、多様な製品分野に認定対象を広げていく考えだ。
事業管理室シニアアナリストの山崎隆弘氏は、「ユーザー企業には、PCをベースに作ってきた既存環境がある。モバイルを導入するときに、その環境といかに連携できるかを明示することで、導入後の運用イメージも作りやすいはず」と話す。
また、CLOMO製品およびCLOMO Certified Productsを使ってスマートデバイス向けソリューションを開発、提供するパートナー向けのプログラム「CLOMO Partner Network」も合わせてスタートした。構築・導入・運用・保守を推進する企業を対象とし、継続的な技術開発、ソリューション提供力の向上に注力する。