IOWN APNの「プラグ&プレイ化」実証に成功、2028年以降の商用化目指す

既存の光ファイバーに送受信機をつなぐだけで、数分後にはAPN(オールフォトニクス・ネットワーク)が使える――。IOWN APNをプラグアンドプレイ化する、そんな新技術の実証にNTTが世界で初めて成功した。面倒な現地作業が不要となるこの技術が実用化されれば、APNの普及を大きく後押しするものとなろう。NTTは「APN step3」として2028年度以降のサービス提供を目指す。

APN step3を実現する2つの機能

これを実現するためにNTTが開発した技術が2つある。1つが「プラグアンドプレイ機能」。もう1つが「波長帯変換技術」だ。

プラグアンドプレイ機能は前述の通り、APNデータ送受信機(Photonic Gateway)に光ファイバーが挿入されると、それを検知し、各拠点の送受信機を管理・制御するAPNコントローラと連携して、光パスの設定を自動的に行う(下図表の青字)。実証では、光ファイバーの接続を検知してから対向の送受信機で受信するまで約210秒程度で実施できたという。

実証の内容と成果

実証の内容と成果

もう1つの波長帯変換技術は、全国に張り巡らされている既存の光ファイバーネットワークを有効活用して、APNを効率的に収容・展開するための技術だ。

一般的な光ネットワークではC帯(C-Band)と呼ばれる波長帯を使用しているが、伝送に適した波長帯は光ファイバーの種別によって異なる。広域でAPNを使う場合、その光パスは様々な伝送路を経由することが考えられるが、その中には、L帯(L-Band)のほうが適する伝送路もある。

そこで、C帯で伝送していた光信号を一括でL帯に変換し、C帯に適した伝送路でまたC帯に戻せば、波長の収容効率を向上させることができる。今回の実証では、この波長帯変換技術の検証にも成功。「光信号のまま、中身のデータもそのまま、C帯からL帯に、またC帯へ変換して伝送した」(関氏)

波長帯変換技術の実証結果

波長帯変換技術の実証結果

NTTではこの実証成果を踏まえ、2028年度以降のstep3サービス提供を目指して各機能の商用化開発を進める。

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