Sigfox「Sub0Gプログラム」発表 “数百円”の薄型トラッカーで市場拡大へ

Sigfoxを運営するUnaBizは、その技術をさらに低コスト化し、かつ環境に配慮したソリューションを展開するための「Sub0Gプログラム」を発表した。技術仕様をオープンにし、多くの企業の参画で商用化を進めたい考えだ。すでに亜鉛マンガン電池を採用したトラッカーデバイスのプロトタイプを開発しており、小包や封筒のトラッキングも実現が近付く。

LPWAネットワークのSigfoxを展開する仏UnaBizは2025年1月23日、低コストかつ持続可能性を重視したトラッキング用途のIoTソリューションを開発することを目的とした「Sub0G(サブゼロジー)プログラム」を発表した。

UnaBiz CTOのアレクシス・サセット氏。手にしているのが「Sub0Gプログラム」スマートタグの紙包装タイプ(四角い長方のカード型デバイスを持った男性の写真)

UnaBiz CTOのアレクシス・サセット氏。手にしているのが「Sub0Gプログラム」スマートタグの紙包装タイプ

Sub0Gプログラムとは、従来のSigfoxより低コストで、サステナビリティに配慮したトラッキングソリューションを展開するためのプログラムだ。同プログラムにおいてUnaBizは技術仕様やソリューション設計をオープンにし、デバイスメーカー等の参画を募る。各社とのパートナーシップの下で、具体的な製品やソリューションを開発していくことを目指す。

低速だが低消費電力で長距離通信が可能なLPWAの1つであるSigfoxは、高速大容量などを特徴とする5Gなどとは技術の方向性が違うことを示すため、以前から「0G」を名乗ってきた。今回の「Sub0G」という名前は、用途を限定することでスペックを落とし、デバイスのコストと消費電力を低減させたSigfoxのサブカテゴリであるという意味を表す。

Sub0Gプログラムにはすでにラベル生産技術に強みを持つLinxens、半導体メーカーのNXPとHoltek、バッテリーメーカーのZinergyの4社が参画し、サプライチェーンと物流分野に向けた取り組みを進めている。

NXPとHoltekは以前よりSigfoxチップを開発してきたが、今回、プログラムに準拠したデータ送信機能に絞ったよりシンプルなチップセットを新たに開発。Sigfoxデバイスのさらなる低廉化と低消費電力設計を実現するという。

またZinergy社は、プログラム準拠デバイス向けに亜鉛マンガン電池を供給する。一般的に用いられているリチウム電池よりリサイクルや廃棄が容易であり、環境への影響を最小限に抑えられるとしている。

2024年、UnaBizはAIを活用した大規模な位置追跡サービス「Sigfox Atlas Sparks」(参考記事)の開始や、KDDI、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)らの出資を受けて、早期に接続デバイス数1億台を達成するという目標を掲げる(参考記事)などの動きを見せてきた。同社CTOのアレクシス・サセット氏は、Sub0Gプログラムは「昨年来のイノベーションの集大成」と語った。

「Sub0Gプログラム」の全体像

「Sub0Gプログラム」の全体像

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