「昨年の元旦に発生した能登半島地震から約1年が経過した。日本の通信ネットワークを支えるうえで、防災は最も重要な使命の1つだと考えている」
2025年1月21日に開催されたプライベートイベント「NTT東日本 地域ミライ共創フォーラム2025」の基調講演に登壇したNTT東日本 代表取締役社長 社長執行役員の澁谷直樹氏は、講演の冒頭でこう語った。
NTT東日本 代表取締役社長 社長執行役員 澁谷直樹氏
地球温暖化等による災害リスクは日に日に高まっており、気象庁によると、2020年の集中豪雨の発生頻度は、1976年比で約2.2倍になった。首都直下型地震も、直近30年以内に70%の確率で発生すると言われている。
地域防災に重くのしかかる問題はこれだけではない。少子高齢化に伴って独居高齢者の数は増加傾向にあり、橋梁などのインフラの老朽化も進んでいる。
こうした大規模災害リスクの高まりを受け、澁谷社長は「災害時の早期復旧」「地域防災・減災モデルの構築」「ICT・デジタル技術の活用」という3つの課題を取り上げた。
災害時の早期復旧に関する取り組みについては、伝送路の多重化をはじめとする通信ネットワークの強靭化や、災害情報等を回線混雑の影響を受けずに受信できる「緊急速報エリアメール」といった安否確認サービスの充実化、ポータブル衛星等の災害対策機器による自治体サービスのレジリエンス強化などを挙げた。