「iPadは3M戦略の1要素」とKDDI田中社長――上期決算は減収減益も「計画通りに進捗」

「iPhone 5の販売の4割強が新規契約だった」。KDDIの田中孝司社長は、2012年10月24日に開催した2013年3月期第2四半期決算説明会でこう語った。同社が昨年初めて扱ったiPhone 4Sは30%が新規だったため、「非常によい滑り出しで、10月に入っても勢いは衰えていない」という。

2013年3月期上期決算について説明するKDDI田中孝司社長
iPhone 5は新規契約が大幅増に

この日の朝に近日中に発売することをアナウンスした「iPad mini」および「第4世代iPad」については、「Smart TV Box」とともに「3M戦略の1つの要素と位置付けている」という。ただ、料金プラン等の具体的なことについては「今日の段階ではノーコメントとさせていただきたい」とし、後日改めて発表するとした。

iPadについては、iPhone 5をはじめとするスマートフォンでテザリングができるようになったことで、Wi-Fi+Cellularモデルでなくてもよいのではないかという質問が出た。これに対して田中社長は、「iPadに限定せず、タブレット全般の話」と前置きしたうえで、これまでのAndroidタブレットの傾向について「10インチはWi-Fiモデルが8割だが、7インチは4割に減り、小さなサイズのものはより外で使う」と説明し、「たまにしか使わない人はテザリングができる端末とWi-Fiモデルのセットでいいが、外でよく使う人は電池の持ちも考えて、Cellular付きモデルを選ぶのではないか」との見解を語った。市場性については、「外国に比べて日本はまだまだタブレット後進国。我々としてはタブレットの利用シーンを提案していくことで、この市場を開拓していく」という。

今期は成長起点の年

上期の連結決算は、営業収益は前年同期比0.2%減の1兆7406億円、営業利益は同13.3%減の2312億円と減収減益だった。だが、営業利益については、進捗率は46.2%ながら、第2四半期は8.2%増の増益に転じており、「通期5000億円に向けて計画通りに進捗している」と語った。

上期の連結業績

セグメント別では、同社の事業の70%超を占めているという「パーソナル」は、営業収益が前年同期比2.1%減の1兆3447億円、営業利益が同16.0%減の1669億円と減収減益となったが、「進捗は会社の計画通り」という。

セグメント別業績

2010年12月1日付けで田中社長が就任し、新経営体制になって2年が経過しようとしている。田中社長は「auモメンタムに関しては完全に回復したという認識。また、3M戦略についても、基盤構築はほぼ完了した。今期を成長起点の年と認識しており、来期は成長カーブにしっかり乗せていきたい」と語った。

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