日本マイクロソフト 米野氏「モバイルワークスタイルの決め手は“生産性の維持”」 ~UCサミット2012レポート

UCの導入やワークスタイル変革を成功に導く秘訣は何か? 日本マイクロソフトの米野宏明氏はUCサミット2012で、よくある失敗パターンに「部分最適」があると指摘。「ツールの統合ではなく、情報伝達プロセスの統合を目指すこと」「場所を問わない生産性を実現すること」が重要と解説した。

ワークスタイル変革の注意点とは?

日本マイクロソフトは「テレワーク推進賞 会長賞」を受賞するなど、自身も積極的にワークスタイル変革に取り組んでいるが、講演ではワークスタイル変革の視点からもUCの意義が紹介された。

2012年3月に「第12回 テレワーク推進賞 会長賞」を受賞した日本マイクロソフト。講演では、日本マイクロソフト社員たちの働き方も紹介された

モバイルワークや在宅勤務など、場所に縛られないワークスタイルを成功させるためのポイントとは何か。米野氏が強調したのは「オフィスと同等の生産性を維持するための仕組み」の重要性である。なぜなら、いくらワークスタイル変革の旗印を掲げたところで、外出先などでの生産性が落ちるようであれば、結局のところ従業員はオフィスに戻って働かざるを得ないためだ。

ここでいう生産性には、もちろんコミュニケーション効率も含まれる。同じ場所に集まってFace-to-Faceでコミュニケーションするのとまったく同じ生産性にはならないかもしれないが、ITによってほぼ同じコミュニケーション効率を実現できる代替手段を用意すること――「それがLyncの中核的な存在意義だ」。

ちなみに、日本マイクロソフトの社内調査では、オンライン会議のほうがアジェンダがしっかり用意される傾向があるため、リアルの会議よりコミュニケーション効率がかえって高くなったという結果も出ているそうだ。

また、ワークスタイル変革を推進していくうえでは「モバイル」がキーファクターになるが、米野氏は次のように注意点を語った。

同氏はまず、モバイルワークスタイルの価値を「場所を問わない生産性により、場所を選択する自由を手に入れる」ことと定義。この場所を問わない生産性を実現するのにスマートデバイスが活躍するわけだが、最も生産性が高いデバイスはやはりPCである。大切なのは、その時々のシーンに最適なデバイスを活用することであって、スマートデバイスを活用することではない。

「デバイスを中心に物事を考えると、どうしても部分最適になる。あくまで人を中心に考えることが重要だ」とモバイルワークスタイルを成功させるための秘訣を説明した。

クロスプラットフォームに対応しているLync
クロスプラットフォームに対応しているLync。モバイルについてもWindows Phoneだけでなく、Android、iOSなどもサポートしている

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