M2Mの課題の1つに、センサーの電源問題がある。M2Mは農業、交通、防災、ヘルスケアといった様々な領域での利用拡大が期待されているが、例えば農地などのように電源確保がハードルとなるケースが多いからだ。
その解決策として今注目を集め始めているのが、自然界にある微弱なエネルギーを電力に変えるエネルギーハーベスティング(環境発電)という技術。ワイヤレスジャパン2012には、その普及促進団体である「エネルギーハーベスティングコンソーシアム(EHC)」が出展している。
エネルギーハーベスティングとは、太陽光や温度変化、風力、振動などの微弱なエネルギーを収穫(ハーベスト)して電力に変換する技術である。自然界に存在するエネルギーを活用することで、配線や電池交換などの必要なしに、センサーなどへの継続的なエネルギー供給を長期にわたって行える。
エネルギーハーベスティング(環境発電)技術の概要 |
エネルギーハーベスティングの研究開発は以前から実施されていたが、説明員によるとすでに「商用化が目前」。「コストさえ合えば、いつでも出せる段階。今はコストのバランスを探っている状況だ」という。
EHCのブースでは、熱電素子を使って微小電力を作り、センサーノードに給電。無線LANで通信するデモも行われていた。無線LANは消費電力が比較的多い無線技術だが、エネルギーハーベスティング向けの無線技術としてドイツのベンチャー企業が開発した「EnOcean」というものもあるという。
エネルギーハーベスティングのデモ風景 |