NTTドコモは2011年11月4日、異なる言語での会話を可能にする「通訳電話サービス」の説明会を開催した。個人を対象とした試験サービスのモニターを同日より公募するとともに、協力企業・団体を対象に試験サービスを9日より開始する。
NTTドコモの小森光修氏(左)と那須和徳氏 |
通訳電話サービスは、携帯電話やスマートフォンから日本語を話すと、その内容がドコモのネットワーク上のクラウドシステムで音声認識、翻訳、音声合成などの処理を行うことで、端末の処理能力に依存せずに、スピーディに外国語に訳して相手に伝わる。また、相手が外国語で話すとその内容が日本語に翻訳される。翻訳内容は、端末の画面に文字でも表示される。固定電話にかけても音声翻訳のみなら可能だ。
言い間違えたときには、右上のキャンセルボタンを押す |
ネットワーク開発部担当部長の那須和徳氏によると、「翻訳サービスではなくコミュニケーションツール」として捉えており、レスポンスにかかる時間を重視している。現時点では、発話から2秒程度で通訳できるという。
同サービスは、今年5月の「WIRELESS JAPAN」に参考出展され、注目を集めた。その後、認識精度が日本語は85%から90%に、英語は60%から80%に向上したほか、話し声から男性と女性を識別し、翻訳後の声を自動選択する機能も追加した。今後は、方言や固有名詞などの事前登録数をいかに増やすかが課題だという。
試験サービスは、一般向けについてはFOMAユーザーから約400名を公募する。企業・団体向けでは、観光、教育、小売、医療などの分野で外国人とのコミュニケーションをサポートすることを想定している。まず日本語・英語および日本語・韓国語でスタートし、2012年1月下旬には中国語にも対応する。
ドコモでは09年以降、「音声入力メール」「音声クイック検索」「声の宅配便」なさまざまな音声サービスに取り組んでいる。取締役常務執行役員の小森光修氏によると、「通訳電話サービスはドコモのネットワーククラウドを基盤とした夢のサービス」になるという。