NTTドコモは2011年11月2日、2011年3月期第2四半期決算を発表した。同年4-9月の連結営業収益は前年同期比1.2%減の2兆1130億円、営業利益は同4.3減の5085億円の減収減益だった。昨年度に一時的に生じたポイントプログラムや故障修理制度の見直しによる引当金550億円の減少が影響しているという。
NTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏 |
上期はスマートフォン販売が好調で、販売台数の累計は363万台と前年度の年間台数をすでに44%上回っており、パケットARPUも前年同期比150円増の2690円と順調に拡大している。
スマートフォンへの移行に伴い、パケットARPUとパケット収入は順調に増加している |
このため通期予想を見直し、スマートフォン販売計画を当初の600万台から850万台にするとともに、営業収益を当初計画から100億円増の4兆2400億円、営業利益を同200億円増の8700億円、またパケットARPUを同30円上乗せして前年比170円増へとそれぞれ上方修正した。
10月14日にKDDIとソフトバンクモバイルから「iPhone 4S」が発売されたのを受けて、14~17日までの4日間にドコモからのポートアウトは通常の2.5倍になったが、18日~月末までは1.2倍にとどまった。一方、ドコモの10月の新規販売は新製品発売前の買い控えの時期にもかかわらず例年の1.3倍になっていることから、山田隆持社長は「iPhone 4Sの影響はそれほど大きくない」との見方を示した。
ドコモでは11月以降、LTEサービス「Xi」に対応したスマートフォンを投入してiPhone 4Sに対抗する。合わせてXiのエリア展開を加速し、今年度末には当初予定の基地局数約5000局、人口カバー率約20%をそれぞれ約7000曲、約25%に拡大。2014年度末には約5万局、約98%(当初予定は約3万5000局、約70%)を目指す。
Xiの設備投資額も2010~2012年度は3000億円から3300億円に上乗せし、2013~2015年度は約5500億円となる見込み。エリアの拡大と端末ラインナップの充実により、契約数を今年度の130万契約から、2015年度には3000万契約まで拡大するとしている。