ISDNやアナログ2回線を置き換え
コンシューマー以上の戦略的ターゲットと位置づけているのは実は法人市場だ。小規模事業所やSOHOでアナログ回線やISDNを利用し続けているユーザーの光ライトへの移行を促していく戦略だという。「事務用ISDNやアナログ2回線を契約し、インターネット利用も少ないユーザーは、光ライトでコストメリットが出る価格設定になっている」と小枝部門長は語る。
事務用ISDN(3級局)は月額3706.5円であり、光ライト+ひかり電話(基本プラン)の3465円のほうが安価になる。また、事務用アナログは同2625円なので、2回線契約の場合は5250円となり、ひかり電話1契約で同時に2回線分の通話ができる「ダブルチャネル」(月額210円)を利用すれば安価となる。さらに、ひかり電話は固定電話へは全国一律3分8.4円等、安価な通話料となっているので、電話利用の多いオフィスなら、コストメリットがより顕著になる。
データコネクトと組み合わせ活用
法人市場ではさらに、光ライトと帯域確保型データ通信サービス「データコネクト」を組み合わせたデータ通信の利用も訴求していく。
データコネクトは、基本料は無料で、使っただけ料金を支払う従量制であり、データコネクト対応機器同士のデータ通信の場合、64kbpsまでなら30秒1.05円、64k超~512kbpsまでなら同1.575円、512k超~1Mbpsまでなら同2.1円となっている。
NTT東日本では、「光ライト+データコネクト」の利用シーン例として、「小売店舗におけるデータ通信」「不動産業等FAX活用が多い事務所」「ビル・オフィス監視」「ガス検針・センサー」の4つを挙げている(図表2)。いずれも通信量は大きくないが、セキュアで安定したデータ通信が必要な用途であり、ユーザーは高品質なNGNを安価に利用できる光ライトのメリットを享受できる。
図表2 「フレッツ 光ライト」の法人利用例 |
ただ、この分野にはまだ課題がある。小枝部門長は「POSやIP-FAX、ルーターなどは市場に数多くあり、データコネクト対応が追いついていない状況」と説明する。同社では、ISDNをIPに変換するアダプタを開発したほか、機器メーカー各社との連携を強力に推し進め、対応機器の拡大に努めている。その成果として、東芝テックのPOSシステム、富士ゼロックスやリコーのIP-FAX、ヤマハのルーター等、続々とデータコネクト対応製品が市場に登場している。これらが揃うとユーザーは最先端IPネットワークを自社の業務に優れたコストパフォーマンスで利用できる。
法人への販売は、現在はNTT東日本の各支店を通じての販売がメインだ。小枝部門長は「特約店や代理店も力をつけてきているので、今後はそちらが主流になる」と語る。なかでも「SOHO系に通機商品を販売してきた代理店の方々は礎があるので、その強みを活かして販売してくれるところが1社でも多く出てきてくれれば心強い」と期待している。