高画質とUI活かすiPhone
「業務専用端末」という既存市場の置き換えとともに、新規分野の開拓も進んでいる。こちらについてはiPhoneの事例を紹介しよう。
ソフトバンクは2009年10月15日、iPhone活用事例の説明会を開催。医療、教育、流通、観光など9業種で展開されている16の実例を紹介した。
なかでも注目を集めたのが、医療・文教向けのソリューションだ。下の写真は、ソフトバンクテレコムと医療情報システム開発のジェイマックシステムが医療機関の協力の下、共同研究を進めているもので、検査画像(CT/MRI等)をPDF化し付帯情報ともにiPhoneに送信、現場の担当医と院外の専門医が共有しながら救急処置の相談を行うものだ。院外医師の活用による医師不足の解消を狙っており、焦点となる画質も、十分に使用に足るレベルとの評価を得ているという。
医療画像を付帯情報とともにメール添付でiPhoneに送信(左写真)し、自在に拡大・縮小できる(右写真)。画像診断医の松尾義明氏も「医師不足の現状を救う可能性を感じる」と期待を寄せる |
また、次の写真は、インフォテリアが提供するiPhoneコンテンツ作成・配信・閲覧の総合サービス「Handbook」のデモ。動画も含めたリッチコンテンツが活用でき、商品カタログやマニュアル、観光ガイドブック、教育用テキストなどに利用できるという。青山学院大学社会情報学部が同サービスを用いて、2009年後期から一部科目で学生のiPhoneへの講義資料の配布を開始している。
インフォテリアが提供するiPhoneコンテンツ作成・配信・閲覧の総合サービス「Handbook」(左写真)。動画コンテンツを使った業務マニュアルや商品カタログなど作れる(右写真) |
ソフトバンクモバイルの中山五輪男iPhoneシニアエヴァンジェリストによれば、今回紹介した以外にも、ユーザーの意向で発表できない事例がまだまだあるという。「iPhoneの登場でお客様の関心、要望も非常に具体的になっている」と手応えを語っている。