米Amazon Web Servicesで通信およびエッジクラウド担当 チーフテクノロジストを務めるイシュワール・パルルカー氏(Ishwar Parulkar)。2016年にAWSに入社し、テクノロジー戦略の策定や新しいクラウドサービスの定義を主導する。AWS入社以前は、シスコシステムズで世界各地の通信事業者のLTEネットワーク構築プロジェクトに携わった
――AWSは様々なAI関連サービスを提供しています。なかでも生成AIの活用に関しては、通信業界のニーズも高まっているのではないですか。
パルルカー あらゆる業界で生成AIが話題となっており、もちろん通信業界も例外ではありません。世界のほぼすべての大手通信事業者と、どのようなユースケースが有り得るのか、そのための要件とはどのようなものかという話をしています。いくつかの事業者とは、具体的なユースケースについて取り組みも始まっています。
――どのような用途がありますか。
パルルカー 1つはカスタマーエンゲージメントの強化です。生成AIを使ったチャットボットが、加入者からの質問に自然言語で応答する、あるいは人間のオペレーターを生成AIがサポートすることで、より効率的に問題を解決できるようにします。
2つめはビジネスオペレーションの改善です。BIに生成AIを活用することで収益をより確実に予測し、適切な対応ができるようになると考えています。
3つめはネットワークオペレーションでの活用です。ネットワーク機器の導入時やトラブルシューティングの際には非常に多くの手作業が発生しています。技術者はマニュアルを見ながら1つ1つ手順をこなさなければなりませんが、生成AIがサポートすることで効率化できます。
現時点ではこの3つが重要な使い道ですが、生成AIの活用はまだスタートしたばかり。今後さらなるイノベーションが期待できます。