NTTドコモは2021年1月、NTTコミュニケーションズとNTTコムウェアを子会社化し、一体となって「ドコモビジネス」のブランド名で法人事業を展開している。この組織改革前から始まっていた「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」は、企業に5Gに関する情報やコミュニケーションの場を提供する、法人事業にとって重要な存在。参加したパートナー企業は5500社を超える。
このプログラムのなかで、ドコモグループと企業の協創を加速するために実施されているのが「docomo 5G DX AWARDS」だ。2020年に初開催され、昨年10月までに計3回を数える。
「ベンチャー企業やスタートアップ企業などの特徴あるアセットを募集するのがアワードの目的」と、事務局を担当するNTTコミュニケーションズ 5Gサービス部門 第一グループ 担当課長の生田朋央氏は説明する。
NTTコミュニケーションズ 5Gサービス部門 第一グループ担当課長 生田朋央氏
協創で5G利用拡大
2020年3月の5G商用化から3年以上が経ち、ドコモビジネスが受注した5G案件は1000件超に達する。その中でニーズが大きいのが映像伝送、XR、ロボティクスなどの大容量・低遅延が求められるサービスで、映像伝送とXR領域は特に引き合いが多い。この2領域のみで受注全体の約6割を占める。
業界別に見ると、ニーズや課題が特に顕著なのが医療・介護、建設土木、公共・教育、交通・運輸の4分野だ。こうした業界に対し、「我々ドコモグループだけでなく、業界課題をよく知り、特徴的なアセットを持っているパートナーと一緒に取り組むほうが、ニーズに対して適切にマッチする提案ができる」と生田氏は述べる。
図表1に示した、実際にソリューション化されたアワード入賞作は、このような領域や業界と重なっていることがわかる。
図表1 「docomo 5G DX AWARDS」過去入賞作のソリューション化状況