震災の影響でテレワーク市場は1兆円超へ――IDC Japanが国内初の市場予測

IDC Japanが国内初だというテレワーク関連ICT市場予測を発表した。震災によるBCPニーズの拡大やスマートフォン/タブレットの普及を追い風に、テレワーク市場は年率10%で今後伸びていき、2015年には1兆円市場に成長するという。

IDC Japanは2011年8月30日、国内のテレワーク関連ICT市場予測を発表した。「テレワーク市場に関する日本で初めての市場予測」(同社グループディレクターの和田英穂氏)だという。

今回、IDC Japanが国内初のテレワーク市場予測を実施したのは、テレワークをめぐる状況に変化が出てきたため。スマートフォンやタブレット端末など、テレワークに活用できる端末の選択肢が急増しているのに加え、3月に発生した東日本大震災の影響により事業継続性対策としてのニーズも高まっている。「これまでテレワークの市場は緩やかにしか伸びていなかったが、ここに来て大きく伸びそうだ。そこで全体の市場規模を調査することにした」と同社リサーチマネージャーの眞鍋敬氏は説明した。

ちなみ、IDC Japanには以前からずっと「テレワーク市場に関する基礎データが欲しい」という要望が寄せられていたという。しかし、例えばノートPCのうち、どれくらいがテレワークに使われているのかが掴みづらいなどの課題があり、これまでは実現していなかったそうだ。眞鍋氏によると、海外を含めてもテレワーク関連ICT市場全体を対象にした市場予測は今回が初のはずだという。

さて、それではテレワーク市場は今後どう推移していくのだろうか。まず国内テレワーク人口だが、2010年の1090万人から今後、下写真の右図のように推移していく見込みだという。IDC Japanが従業員10人以上の国内ユーザー企業795社を対象に調査を実施したところ、現在約30%の企業が何らかのテレワークシステムを利用しているが、震災によって40%以上のユーザー企業がテレワークの「重要性が増加」と回答。テレワーク人口は、震災前の予測と比べて、「やはり増加する」と眞鍋氏は説明した。なお、ここでいう「テレワーク人口」とは、外出先や自宅などのオフィス外で就業時間の20%以上の業務を行う人の数のこと。オフィス外でも働くが、その比率が20%未満にとどまる人は「モバイルワーク人口」となっている。

テレワーク人口の推移
テレワーク人口の推移

また、2010年に6132億4600万円だったテレワーク関連ICT市場の規模については、2015年に1兆176億900万円に達すると予測。「年平均成長率は10.7%。この低成長時代に、10%超とは非常に良い市場だといえる」(真鍋氏)。

テレワーク関連ICT市場予測
テレワーク関連ICT市場予測

ただし、ユーザー企業のテレワークシステム導入が本格化してくるのは、2012年度以降になりそうだ。「BCP対策のための予算組み替えがまだ出来てない企業は多い。おそらく今年どういうシステムを導入すればいいのかを検討し、2012年度以降に実行するという形になるだろう。ベンダーにヒアリングしても、案件や引き合いは非常に増えているが、クロージングは来年に持ち越しという話が多い」(眞鍋氏)という。

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