マイクロソフトの競合サービス「Office 365」との最大の違いは?
マイクロソフトが最近Google Appsの対抗サービス「Office 365」の正式提供を始めたが、そのためマイクロソフトを意識した発言もかなり多く聞かれた。
シング副社長がマイクロソフトとの違いとして特に強調したのは、PC時代に誕生したマイクロソフトのソリューションが「個人の生産性向上にフォーカスが当てられている」のに対し、Web用に構築されたグーグルの場合は「先天的にコラボレーション(共同作業)のためのものになっている」という点だ。
個人作業の効率化ではなく、チームコラボレーションのために設計されているのがGoogle Appsの特徴だという |
他方、マイクロソフトのOfficeと比べて、まだまだGoogle Appsが機能面で見劣りしているのも事実である。シング社長も「ドキュメント制作をよく行う一部のナレッジワーカーにはOfficeも必要だが、閲覧がメインならGoogle Appsで済む」とこれを認めている。ただし、いつまでもこの状態に甘んじる考えはなく、「GmailはOutlook Expressよりも優れている。同じようにOfficeを完全に置き換えられるようにしていきたい」とした。
なお、コラボレーションという言葉は今回のイベント中、何度も繰り返し使われたキーワードとなった。シング副社長は「従来の企業成長は効率性がカギだったが、これからの成長はイノベーションによる」としたうえで、「コラボレーションとイノベーションの間には非常に高い相関性がある」と説明。グーグルのエンタープライズ戦略においてコラボレーションが重要な位置を占めていることが見て取れた。