「100% Webになるとコラボレーションが大きく変わる」
100% Webにおいて中心的な役割を果たすサービスはGoogle Appsだが、それでは100% Webはワークスタイルにどのような変化をもたらすのだろうか。「今まで(マイクロソフトの)Officeを使ってやっていたことを、ブラウザ上でやるというだけなのか? それは違う。100% Webになるとドキュメントコラボレーションが大きく変わる」とグーグル エンタープライズ部門の山本真人氏は話した。
そのデモとして行われたのは、売上成績表のリアルタイム同時編集である。各営業所の社員が同時に1つのドキュメントを編集することで、あっという間に営業成績が集計された。「今まではひな形を作ってから、あくまで個人作業としてPCで作業を行って、それを他の人にメールで送っていた。100% Webになると、ファイルはすべてWeb上にあり、コラボレーションの仕方がまったく変わってくる」という。また、Google AppsにはIM(インスタントメッセージング)やビデオチャットの機能もあり、ブラウザ上で緊密なコミュニケーションを図ることもできると紹介した。
Web上にあるファイルをみんなでリアルタイム同時編集 |
さらに、「ソフトを入れる必要があるとなると、『このスマートフォンは新し過ぎるから対応していない』といったことが起こるが、100% Webではすぐに新しいデバイスを業務に利用できる。これは大きな違いだ」と、スマートフォンなど多様なデバイスを使い分けるマルチデバイス時代にも適していると語った。
実際の活用例もイベントの中ではいくつか紹介された。その1つがポピンズコーポレーションのケースだ。東京・神奈川・千葉などで保育所を展開する同社では、東日本大震災の際にGoogle Appsが活躍したという。本部が作成したひな形に、各保育所の担当者が安否や親が迎えに来ていない子供の状況、必要な物資などの情報を入力することで、迅速に情報共有が行えたそうだ。そもそも電話はつながらない状況が続いたし、保護者からの電話の邪魔になってもいけない。また、メールでは集計に大変な時間がかかる、ということからGoogle Appsを活用したという。ちなみに、グーグル自身も震災時の安否確認にはGoogle Appsを利用したとのことだ。