ワイヤレスジャパン×WTP 2023ドローン+無線測定器で上空電波を調査、アンリツが新用途を提案

ドローンによる電波環境調査は、無線環境の定点観測などに使われる小型のスペクトラムモニターモジュールをドローンに搭載し、4G回線などを介して、地上のPCで、どの周波数でどのような電波が出ているかをモニタリングできるようにするものだ。測定手法が確立されていない上空の電波環境を測定する手段として、アンリツが新たに提案した。

ブースに展示されているシステムは、ドローンの操縦や映像伝送に使われる2.4GHz帯の測定に対応するものだ。ドローンの運用上、障害になる電波が送出されていないかなどを確認するといった用途が想定されている。

ドローンに搭載されるスペクトラムモニタモジュール「MS27100A」

ドローンに搭載されるスペクトラムモニタモジュール「MS27100A」

このスペクトラムモニタモジュールは9kHz~6GHzという広い帯域に対応する。そのため、携帯電話回線をドローンの操縦・映像伝送に用いるセルラードローンを運用する際に、飛行経路が本当に携帯電話基地局でカバーされているかを事前に確認するといった使い方もできるという。

このほかにも、地上デジタルテレビ放送の電波が、高さごとにどの程度の強さで届いているかを調査するといった利用法が考えられるとのことだ。

アンリツでは、すでにこのシステムの導入を進めているユーザーとともに知見を蓄積し、具体的にどのような形で製品化できるかを検討していくという。

ワイヤレス給電で無線測定器が活用できる3つのシーン

もう1つの用途提案が、今後大きな伸びが見込まれるワイヤレス給電ビジネス分野だ。同社ブースでは3つの製品について、ワイヤレス給電ビジネスでの活用法が提案されている。

1つが、ワイヤレス給電の送受信ユニットに用いる部品の性能評価にネットワーク・アナライザを利用するというもの。

具体的には、アンテナやアンプ、フィルターなどをネットワーク・アナライザの信号送信ポートと受信ポートの間に接続。実際にワイヤレス給電用の周波数帯の電波を流して特性を測定する。これにより、高品質な送受信ユニットの製造が可能になるという。

2つ目は、シグナルアナライザによる送信ユニットの電波特性の検証だ。

ワイヤレス給電の送信ユニットは、電波法令により、送信出力やスプリアス(不要輻射)などが規制されているため、製品を製造する際には高精度での性能検証が求められる。

最後が、移動通信基地局のエリア検証などに用いられるハンドヘルドタイプのスペクトラムアナライザ「フィールドマスタ プロ」を、ワイヤレス給電設備周辺での電波環境調査に用いるという提案だ。電波法令により施設外への給電用の電波の漏洩が規制されているため、フィールドマスタ プロがその検証に利用されるようになるというのだ。

アンリツでは、ワイヤレス給電事業分野で、具体的な用途提案を行うことで、新市場の開拓につなげげていく。

ワイヤレス給電ユニットの部品検証での利用が提案されたベクトルネットワーク・アナライザ「MS46122B 」(右)、ワイヤレス給電設備周辺への電波漏洩の検証にも利用できるフィールドマスタープロ「MS2090A」(左)

ワイヤレス給電ユニットの部品検証での利用が提案されたベクトルネットワーク・アナライザ「MS46122B 」(右)、
ワイヤレス給電設備周辺への電波漏洩の検証にも利用できるフィールドマスタープロ「MS2090A」(左)

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