様々なアプリケーションが利用できることがスマートフォンの人気の1つだが、よく利用されるアプリにナビゲーションがある。カーナビ企業も進出を始めており、端末側のGPSを利用してナビゲーション代わりとして使えるレベルのものも複数あるようだ。
6月中旬にドイツ・ベルリンで開催された欧州最大のナビゲーションイベント「Navigation Strategies Europe 2011」では、地図・ナビゲーション業界全体が、スマートフォンを中心にこれからのナビゲーションサービスについて模索し始めている様子がうかがえた。
伝統的なナビゲーションは「コモディティ化」
携帯電話でのナビゲーションは新しいトレンドではなく、たとえば大手携帯電話メーカーNokiaは2007年に地図データ会社のNAVTEQを買収、「ナビゲーションは、カメラに次ぐ新しいアプリになる」として力を入れていた(Nokiaはその後、地図サービスの利用を促進すべく、「Ovi Maps」を無償としている)。だが、本格的に開花させたのはスマートフォンだ。
「ナビゲーション市場は誕生して約20年、ここにきてコモディティ化が進んでいる」と調査会社Strategy Analyticsのアナリスト、Richard Robinson氏(車載マルチメディアと通信サービス担当ディレクター)は言う。「スマートフォン用のナビゲーションアプリが登場し、伝統的なナビゲーションはコモディティとなった」
コモディティ化の推進役となったスマートフォンは、ナビゲーションだけでなく位置情報サービス(LBS)アプリケーションも多く生んでいる。そういったことから、iSuppliの主席アナリスト、Egil Juliussen氏は、「スマートフォンがこの4年でインフォテイメントに与えたインパクトは計り知れない」と評価する。スマートフォンにより、携帯電話はアプリのプラットフォームという役割を持つようになった。これは、ナビゲーションを含むコンテンツ業界にとって、大きな変化となる。
(左から)NAVTEQのRyan氏、Pionner Europeのニューメディアプランニング担当プロダクトマネージャ、Geert Verhoeven氏、NAVXのCherbonnier氏、AUPEO!のWeiss氏、Bouygues TelecomのKaiser氏 |