【ワイヤレスジャパン】ここまで来た! スマホ/タブレット向けセキュリティ対策とデバイス管理の最前線(Part2)

Part1では通信キャリアのスマートフォン向けセキュリティ対策・端末管理サービスを見てきた。次に、スマートフォンやタブレット端末などを効率的に管理するモバイルデバイスマネジメント(MDM)ソリューションの動向について紹介しよう。

従来、Windows MobileやBlack Berryといったスマートフォンには独自の端末管理の仕組みが用意されていたこともあり、これまで日本ではモバイル端末の管理ソリューションが注目されることはあまりなかった。こうした状況に変化をもたらしたのが言うまでもなくiOS端末、そしてAndroid端末だ。こうしたスマートデバイスの普及により、MDMは今もっともホットな領域となっている。

別記事で紹介したスターネットの「STAR-MDM」のように国産ベンダーの製品をベースにしたものもあるが、現状では海外ベンダーの製品が市場の体勢を占めている。海外製のMDMを国内の事業者がローカライズし、さらに付加機能などを組み合わせて提供を始めている。

元アップルのメンバーが設立したアップタウンは、e-quinux製のMDM「TARMAC」を日本向けにローカライズして提供している。会社や組織内で使うiPhone、iPadに向けて遠隔からユーザープロファイルの提供や管理が行える。
社員各個人に合わせてiOS端末のプロファイルを自動作成する機能を持ち、これを遠隔で提供できるため、端末の配布や管理が効率化できる。

iOS端末を管理する「TARMAC」の管理画面

特徴は、「ディレクトリサービスと連携して管理できること。端末ではなく人に紐づくので、例えば異動などがあった場合にもディレクトリのメンテナンスに合わせて端末側のプロファイルも変更される」(説明員)点だ。これにより管理の手間は省力化される。そのほか、認証や電子証明書の発行・管理など多彩な機能を備えている。

Android端末への対応もすでに進めており、「必要ならいつでもiOS端末とAndroidスマートフォンの混在管理にも対応できる」(説明員)という。

モバイルアイアン・ジャパンもMDM「モバイルアイアン バーチャル スマートデバイス プラットフォーム」を展示している。こちらの特徴は、マルチプラットフォーム対応だ。iOS、Android、BlackBerry、SYMBIAN、hp webOS、Windows Phoneをサポートしている。

MDMの“基本”といえるセキュリティポリシー設定やデバイス情報の収集・管理、リモートワイプといった機能はもちろん、モバイルアイアンが備える機能は、MDMのなかでも「かなりリッチ」(説明員)だ。

展示ブースでは、モバイルアイアンを使ってクラウド型の「スマートデバイス管理サービス」を提供しているシーエーシーが、MDMの基本機能と組み合わせて提供する予定の「アプリケーション配信サービス」のデモを行っていた。企業ユーザーが、自社の社員が使う業務アプリをAppstoreなどの公式な配信プラットフォームを経由せずに社員の端末のみに効率的かつ確実に配信する仕組みだ。

下写真のように、新しい業務アプリを配信したり、すでに使用中のアプリのバージョンアップを行った場合、社員の端末画面上のアイコンに、更新すべきアプリの数を示す数字が表れる。アイコンをタップすると画面が開き、社内用アプリのインストールや更新が行える。社内共有資料などの一斉配信にも便利だ。

社内アプリの更新があると、アイコンにそれを知らせる数字が付く。タップすると右の画面が開き、アプリのインストール、更新が行える

業務アプリは更新頻度も多く、それをたびたびAppStoreなどから更新するのは手間もかかり、社員全員に徹底させるのも難しい。また何より、セキュリティ上も問題が多いだろう。こうした社内用アプリのみを効率的に管理できる仕組みがあれば、スマートデバイスの利用の幅もさらに広がるはずだ。

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