熊谷組、京セラ、NECの3社は2023年2月7日、ローカル5Gを利用した建設機械2台に対する自動走行と4Kカメラ映像伝送の実証実験の結果、4K映像の送受信を確認できたと発表した。
実証実験の基本構成図
実証実験は昨年11月、熊谷組技術研究所屋外実験ヤードにおいて行われた。
実証実験の概要は以下の通り。
技術研究所内の建物にNEC製ローカル5G基地局を設置し、アンテナを屋外実験ヤードに向けた。遠隔操作並びに自動走行が可能な建機上には、受信電力情報をリアルタイムで取得できる京セラ製ローカル5G対応デバイス「K5G-C-100A」を設置しており、車載4Kカメラの映像をIPネットワークの上り回線を通じて高速なパケット伝送を行い、遠隔操作室内に設置されたディスプレイにデコーダ出力を80msecで表示することができる。
デコードされた車載4Kカメラ映像(建機2台分)
移動する建機の位置は、遠隔操作室内のディスプレイによって確認した。
屋外実験ヤードを移動する建機2台(遠隔操作室内のディスプレイ上)
加えて、K5G-C-100Aで取得された受信信号とGPS情報を使い、屋外ヤード内を移動した時の受信電力特性を確認した。濃い青色ほど受信電力が高く、ヤード内では4Kカメラ映像を安定的に伝送できる電力値であることが確かめられた。
屋外実験ヤード内を移動した時の受信電力特性の一例(受信電力の値と色が対応)
この位置情報と受信電力特性の情報を活用することで、屋外実験ヤード内の建機2台が往路と復路のルートに対して安全間隔を保ちながら自動走行が可能となるという。
3社は、4Kカメラが搭載された建機の自動走行の高度化・実用化に向けて、実際の建設現場における技術検証など、様々な実証実験を今後も予定している。