ワイヤレスジャパン/WTP2021のNTTドコモのブースでは、「5G evolution & 6G」と「オープンRAN実現に向けた取り組み」の2点をアピールしている。
5G evolution & 6Gの重要なコンセプトの1つに、超カバレッジ拡張がある。ドコモは、静止衛星や低軌道衛星、HAPS(高高度疑似衛星)を使い、空や宇宙、海などもエリア化し、どこでもつながる環境の構築を目指している。
衛星やHAPSでどこでもつながる環境を目指す |
このうち携帯電話の基地局装置を搭載した無人飛行機を成層圏に飛行させるHAPSについては、仏エアバス・ディフェンス・アンド・スペース社と組み、同社のHAPS「Zephyr(ゼファー)」を用いて、技術的可能性を検討する計画だ。
また、5G evolution & 6Gでは5Gのミリ波よりもさらに上の周波数帯が使われる可能性が高い。その分、直進性が強く、回り込みにくくなるため、メタサーフェスレンズにより屋外から屋内への電波の浸透を高めたり、高周波数帯の電波を伝搬するケーブル「誘導体導波路」のつまんだ箇所から電波の一部が外部に漏洩する現象を応用した「つまむアンテナ」などの開発にも取り組んでいる。
カバレッジホール対策としてメタサーフエスレンズなども開発している |
オープンRANについては、ドコモは2018年に海外の主要キャリアとともに、無線アクセスネットワークのオープン化とインテリジェント化の推進を目的とした「O-RAN Alliance」を設立。今年2月には、海外キャリアのニーズに合わせて自由に基地局装置を組み合わせられるオープンRANを提供することを目的に「オープンRANエコシステム」を設立した。初期パートナーとして、エヌヴィディアやクアルコム、インテルなど12社が名を連ねる。
オープンRANの海外展開にも乗り出す |
2021年度は様々なグローバルベンダーと検証を行い、2022年度内の商用化を目指している。