企業ネットワーク最前線

【特集】ネットワーク未来予想図2020

5Gは3段階で進化する ポテンシャル発揮は2023年から

文◎坪田弘樹(編集部) 2020.01.27

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

いよいよ2020年3月から5Gの商用サービスが始まる。圧倒的な高速・大容量性、超低遅延・高信頼通信といったポテンシャルが発揮されるのはいつ頃になるのか。3つの段階に分けて今後の行方を展望する。

 
5Gサービスはどのように始まり、そして進化していくのか。

その過程は3段階に分けて考える必要がある。5G NR(New Radio)の導入、つまり無線部分の5G化によって超高速モバイルブロードバンド(eMBB)サービスがスタートする「初期段階」、LTE周波数帯のNR化とコアネットワークの5G化が進行する「拡充段階」、そして5Gのフル仕様が導入された後の「成熟段階」だ。

この段階的展開と並行して、携帯電話事業者(以下、携帯キャリア)によるエリア拡大と5G端末の拡充が進展。2023年以降に“真の5G”が姿を表すことになろう。

 

図表1 5Gの段階的展開
図表1 5Gの段階的展開


<初期段階の5G>インフラ整備は急進も端末価格が足かせに2020年春の商用サービス開始時点での5Gの姿を予想してみよう。

スタート時の5Gサービスは、現在の「スマートフォン向けモバイルブロードバンド」の延長線上に位置付けられる。5G基地局の展開エリアについてNTTドコモは、「都市部から地方までトラフィック需要の高い場所や、5Gサービス・ソリューションで新規に需要が顕在化する場所(各種施設やスタジアム・ライブ会場や工場など)を予定」としているが、こうした“5Gゾーン”でeMBBによる高速・大容量通信が利用できる。

性能については、9月から行われたプレサービスの実績が参考になる。

ドコモは3.7/4.5/28GHz帯の3種の周波数帯を使用。最大通信速度(受信時)は、3.7/4.5GHz利用時が2.4Gbps、28GHz利用時が3.2Gbpsだった。引き続き性能向上を目指し、2020年春に予定する商用サービスでは「プレサービスを上回るスペックを提供する予定」だ。

ただし、上記の数値はあくまで理論上の最大速度であり、かなり条件の良い環境でも実スループットは1Gbpsを下回るだろう。3.5GHz帯で5Gを全国展開している韓国を参考にすると、同国の3キャリアに基地局設備を提供しているノキアによれば、2019年9月に計測したある都市の下りリンクの平均スループットは500~600Mbps程度という。

LTEと5G NRを束ねて高速化スループット向上のカギとなるのは、LTEと5G NR間のキャリアアグリゲーション(CA)だ。CAは複数の周波数帯を束ねて高速伝送を行う技術であり、LTEでも使われている。これをLTEと5Gとの間で行う「NSA/Dual Connectivity」により、スループットを大きく向上させられる。

5G開始当初のNSA(ノンスタンドアロン)構成では、LTE基地局と5G端末の間で制御信号をやり取りした後、5G NRでデータ伝送を行うのが基本形だが、NSA/Dual Connectivityにより、セッション確立後の伝送にもLTEを活用できる。

韓国では、これが5Gサービスの高速化に一役買っている。

ノキアソリューションズ&ネットワークスで5G技術統括本部 本部長を務めるブライアン・チョー氏が9月に開催した同社イベントで紹介した例では、韓国の商用サービスにおいて、2×2MIMOに対応した5GスマートフォンでNSA/Dual Connectivityを用いた結果、最大1Gbps超のスループットを確認したという。なお、フィールドトライアルでは4×4MIMOの5G NRで1Gbpsを出し、これをLTEの500Mbpsと束ねて最大1.5Gbpsのスループットも実現している。

日本でもNSA/Dual Connectivityの活用が進むはずだ。ソフトバンクモバイルネットワーク本部 本部長の野田真氏は、「我々も当然使う。NSAでは一般的な使い方であり、スループット向上に寄与する」と話す。

ソフトバンク モバイルネットワーク本部 本部長の野田真氏(右)と、同本部 ネットワーク企画統括部 技術企画部 部長の浅倉智一氏
ソフトバンク モバイルネットワーク本部 本部長の野田真氏(右)と、
同本部 ネットワーク企画統括部 技術企画部 部長の浅倉智一氏

続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

1912_webex
1912_hcn
1912_has

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】工場5G
    ローカル5Gで実現するスマートファクトリー
[Part1]工場5Gの理想と現実 [Part2]工場でのローカル5Gの活かし方 [Part3]ドコモが考える工場5G [Part4]5G時代の工場NW進化論

[インタビュー] 慶応義塾大学 教授 手塚悟氏「トラストがSociety5.0の基盤」 [ソリューション特集]IoTで始めるHACCP対策 [技術&トレンド]NW視点で見る3大クラウドの違い/水中高速無線を音波・可視光で ほか

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

一般社団法人新規事業・新規市場創出研究会国内唯一の5G/6G調査研究会!

「5Gでの日本の遅れを取り戻したい」。5G、6G、MaaSをテーマにした調査研究会が4月に運営開始する。

sXGPsXGPはローカル5G導入の第一歩

まもなく帯域が拡張されるLTEベースの自営無線「sXGP」は、ローカル5G導入のファーストステップとなる!

マクニカネットワークスHACCP対策の切り札となるIoT
LoRaWANで冷蔵庫内もデータ取得

食品業界に義務付けられるHACCP。IoTで手間と人為的ミスを削減できる

住友商事マシネックスついにオラクルがSD-WANに参入!
 クラウド接続に最適な高品質NW

Oracle Failsafe SD-WANは、ネットワーク品質を劇的に変化させる。

APRESIA Systemsローカル5G参入を強力サポート

APRESIA Systemsの「ローカル5Gシステム」はローカル5Gに必要な機能に絞り込み、導入を強力サポート

NECプラットフォームズ教育用ネットワークをトータル提案
IPv6活用でコスト削減・高速化

快適な校内無線LANには、VPNなど校外NWの整備も必要だ!

アット東京AWSやGCPなどメガクラウドに
直結する新時代のデータセンター

アット東京のデータセンターは“つなぐ”価値に磨きをかける!

ヤマハ仮想NWを始めるならヤマハで!

ヤマハの仮想ルーター「vRX」なら、これまでのノウハウをクラウドでも活かせる。

日本ソルテック学校ネットワークを簡単・安価に

日本ソルテックのクラウド管理型無線LANは、専門学校、介護施設を中心に豊富な導入実績!

シスコシステムズ世界で選ばれているオンライン会議
簡単にワンクリックで会議に参加!

Cisco Webexは社内外、誰とでも高品質なオンライン会議が行える。

エイチ・シー・ネットワークス株式会社ネットワークに迫る人手不足の危機
遠隔監視と予防保全で乗り越えろ!

光ファイバの保守現場の深刻な技術者不足。日立金属はどう対応した?

ハイ・アベイラビリティ・システムズ「全て」を一括認証できるSSO
簡単導入でパスワード管理から解放

AccessMatrix USOなら導入や運用も容易にシングルサインオンを実現!

ジェムアルト株式会社マルチクラウド時代の情シスを救う
認証プラットフォーム!

認証・特権ID管理をきめ細やかに! 自社サービスとしても展開可能。

アクセスランキング

dwpreport
tc_banner191122

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2020 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます