光ファイバーもLTEもダメでも諦めない!“ワケあり物件”のネットワーク構築法

今やあらゆる場所で広帯域な通信が必要とされるようになった。だが、光ファイバーが届かずLTEも使えない、ネットワーク化が困難な場所もまだ存在する。そんな“ワケあり物件”に適した対処法を紹介しよう。

ネットワークが引けない――。

常時ネット接続が当たり前になった現在も、そんな場所はまだ多く存在する。

代表例は、人口が極端に少ない山間部や離島などだ。光ファイバーも携帯電話ネットワークも「世帯カバー率」「人口カバー率」を軸に展開されてきたためだ。

一方、光ファイバー/携帯電話ネットワークの圏内であっても、いわゆる“ラストワンマイル”に問題を抱えるケースは少なくない。

アプリケーションとコンテンツがどんどんリッチになり、今やどこでも広帯域なネットワークが求められるようになった。だが、電波が届きにくい場所や、ネットワークケーブルの敷設が難しい場所等は各所に存在する。

クラウド化が進み、さらにIoTの波が本格到来する今後は、このように場所的あるいはコスト的な要因によって一般的な通信サービス/通信機器が使えない“ワケあり物件”でも、ネットワーク構築ニーズが高まるはずだ。この解決策となり得るソリューションを紹介していこう。

過疎地へ長距離無線LAN光/携帯電話網のエリア外におけるネットワーク構築では、数km~数十km間を高速につなぐ長距離無線LANが有力なソリューションだ。

山間地や離島でデジタルデバイド解消に用いられるほか、図表1のように防災監視や気象観測に用いたり、さらに市街地でも、ビル間接続等に使われるケースがある。

図表1 長距離自営無線ソリューションの適用例
図表1 長距離自営無線ソリューションの適用例

NIerのエイチ・シー・ネットワークスは、RADWIN製の長距離無線LAN「RADWIN2000/5000シリーズ」等を用いて、FWA(固定無線アクセス)ネットワーク構築を行っている。

営業推進部 営業推進グループ 課長代理の山田良氏によれば「光ファイバーが引けない過疎地で使われるほか、サービス終了が決まったADSLの代替としての需要も出てきている」という。RADWIN製品は、登録局である4.9GHz帯を用いて最大250Mbpsの高速通信が可能で、最大50kmの長距離通信にも対応している。

ハイテクインターが取り扱う、Cambium Networks製「PTP670」も同様に、4.9GHz帯を用いて数十kmの長距離通信が可能だ。Wi-Fi用の5GHz帯とは異なり、干渉による品質劣化が少ないのがメリットだ。

なお、RADWIN2000は1対1で通信を行うものだが、RADWIN5000は1対N接続も可能だ。ハイテクインターも2018年内には1対N接続が可能な「ePMP3000」の提供を開始する予定である。

月刊テレコミュニケーション2018年12月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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