企業ネットワーク最前線

スマートホームのセキュリティにおいて通信事業者が担う重要な役割

文◎ガガン・シン(Avast モバイル・ビジネス シニア・バイスプレジデント兼ジェネラル・マネージャー) 2018.08.17

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

近い将来、家の中は数多くのIoTデバイスであふれかえることになるだろう。しかし、これらのIoTデバイスにはセキュリティ上の脆弱性が含まれている。メーカーはセキュリティの専門家が不足している中、IoTデバイスを開発しているからだ。では、誰がスマートホームを守るのか――。通信事業者が重要な役割を担うことになる。

 
Juniper Research社によると、スマートスピーカーやスマート洗濯機など、暮らしの利便性を高めるスマートデバイスの数は、2020年には385億まで増加すると予想されている。しかし、スマートデバイスには脆弱性が潜んでいる場合があり、企業のデータや自宅を知らぬ間に危険にさらし、実害を被る可能性がある。

スマート(またはIoT)デバイスメーカーは、今日のテクノロジートレンドの急速な移り変わりに対応すべく、デバイスを短期間で製造して手頃な価格で発売せよという圧力を受けている。

例えば、キッチン家電のメーカーが現在、スマートキッチン家電を製造しているとしよう。そのメーカーの製造担当者は、以前は製品の物理的な品質だけを考えていれば良かった。しかし今では、スマートキッチン家電をハッカーから守ることについてまで考慮する必要性が生じるようになっている。デバイスを保護するためのセキュリティの専門家がいない中でだ。これが、スマートデバイスにセキュリティ上の脆弱性が潜む原因の1つとなる。

デバイスやシステムの多様化に伴い、個人のIoTデバイスのセキュリティ確保が課題となっている。家庭において、接続されているすべてのデバイスから送信されるデータの流れを制御しているのが、ホームルーターである。IHS Markit社の調査によると、通信事業者が提供するWi-Fiホームゲートウェイおよびルーター製品の割合は、2019年には90%近くまで上昇すると予想されている。そのため、通信事業者とセキュリティベンダーの協業により、消費者にIoTデバイスの制御権を与え、シンプルかつ効率的なスマートホームおよびデバイスの保護を実現することが重要となる。


消費者が直面するリスク侵入ポイントであるルーターのセキュリティが脆弱な場合、攻撃者はホームネットワークを通じてあらゆるスマートデバイスに侵入することができ、多種多様な攻撃を招く可能性がある。

IoTの場合、セキュリティの脆弱性が物理的な脅威につながりかねない。例えば、攻撃者がIoTデバイスをハッキングし、デバイスの使用状況を把握することで、住人が在宅しているかどうかを推し量ることなどができる。

家庭のスマートサーモスタットやスマート電球をハッキングした場合、攻撃者はデバイスの所有者が休暇で不在なのか、仕事中なのかを推測し、自宅に泥棒に入ることもできるだろう。Amazon EchoやGoogle Homeなどのスマートデバイスを悪用して自宅に侵入する方法も考えられる。ドアの鍵にスマート技術が採用されていれば、犯罪者は脆弱なスマートスピーカーに玄関を開ける命令を与え、ドアを開けることが可能となってしまう。

Webカメラはレンズに映るものすべてを映し出すことができ、スマートTVやスマートスピーカーは周囲の音を拾っている。スマート電球やスマートサーモスタットは、前述のように在宅状況を把握する手がかりとなってしまう。こういった個人情報を収集されることや、デバイスの位置情報から追跡されることなど、見過ごされがちなリスクもあるということを消費者自身は認識する必要がある。

侵入可能な脆弱なIoTデバイスを列挙したデータベースは、インターネット上で無償公開されている。ハッカーは、大きなリスクを冒して企業のサーバーをハッキングして情報を収集する必要もなく、消費者のデバイスに直接侵入すれば良い。

ハッカーが自宅にあるすべての、あるいは大半のIoTデバイスをハッキングした場合、行動の追跡、プライベートな会話の傍受、当該人物への標的型攻撃が可能なだけでなく、銀行口座やクレジットカードなどの金融情報、個人情報といった第三者が悪用可能な情報を収集して売買することができるだろう。

スペシャルトピックスPR

kmk1904
kmk1904
juniper1904

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】キャリアネットワークの
   メガトレンド
●5Gを4つのキーワードで解説 ●通信インフラは「共有」する  ●基地局は持ち運ぶ時代へ ●ネットワーク機器の機能分離が加速 ●ゲームチェンジの引き金を引くO-RAN ●5G網はSRv6で一筆書き

●[インタビュー] クアルコムジャパン 須永順子社長「5Gの1年前倒しに大きな意義。ローカル5Gを工場へ積極提案」 ●スマホ内線化で働き方を変える ●埼玉県飯能市が“IoT罠”で獣害対策 ●ネットワン「サブスク拡大」の理由 ●IoTを導入しない企業は5年以内に脱落? ほか

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

インテルキャリア網もクラウドネイティブへ
5G革命を推進するインテル

インテルが5G時代の新NW実現に向けた取組みを加速させている。

エクストリームネットワークスWi-FiとIoTをAIが自動で管理
10万人のスタジアムに搭載

「Smart OmniEdge」がネットワークエッジのトラブルから解放する!

NTTコミュニケーションズeSIMを本格提供! 垂直統合で企業のIoT活用を支えるNTT Com

国内MVNO初のリモートプロビジョニング対応eSIMサービスも提供開始

サクサキャリア網の利用で高い通話品質
スマホ2台までお試し導入も!

サクサのビジネスホンなら、スマホ内線が途切れない! 使い勝手も◎!
NTTコムウェアスマホ内線で高い通話品質を実現!

交換機開発のノウハウを活かしたNTTコムウェアのクラウドPBXは、高い安定性や優れた通話品質が特徴

日本シエナコミュニケーションズ光伝送網の能力はもっと引き出せる
目指すは“どこでも400G”の世界

シエナが1波800Gbps伝送を可能にする新世代チップを発表した。

KCCS加速し続けるSigfoxの「今」
人口カバー率は94%を突破

グローバルでも年末には70カ国・1300万回線に拡大見込みだ。

専門人材が24/365で対応するMSS
最新鋭のSOCで途絶なく脅威を監視

次世代FWなどのセキュリティ機器は「設置しておしまい」ではない。

ケーエムケーワールド最大2.7Gbpsの次世代FW
100名以下の企業で採用が増加!

NISG3000は様々なセキュリティ対策が詰まったオールインワン型

ジュニパーネットワークス"クラウドが遅い"をSD-WANで解消
ブレイクアウトの課題とは?

クラウドの「体感品質」にフォーカスしたジュニパーのSD-WAN

シングテル海外拠点網“SD-WAN化”の注意点とは?

グローバルキャリアに聞く回線選びの重要性

ソニービズネットワークス“ひとり情シス”でも心配なし!
SD-WAN始めるならマネージド型で

SD-WAN導入に悩みを抱えるIT担当者に最適なマネージドSD-WAN

マクニカネットワークス高精度にアプリ識別可能なSD-WAN
速度も最大10倍以上に高速化

Silver PeakのSD-WANは「正確で速い」という強みを持つ。

ハカルプラス後付け簡単&低コスト! 5km飛ぶLoRa無線機で始める設備のIoT化

IoT導入時のハードルをぐっと下げる、ハカルプラスの「LoRa無線機」

アクセスランキング

tc1904
kaden
compass

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2018 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます