[特集]IoT無線を自営する<LoRaWAN/LoRa>自営LPWAの代表格をどう使う?

LPWAの中でも、抜群の知名度があるLoRaWAN/LoRa――。LoRaWANとLoRaは、それぞれどのような自営スタイルに適しているのだろうか。利用シーンを交えながら紹介する。

「LoRaは、LPWAの中でも知名度が高い。“LoRa指定”で相談に来るお客様もいる」。

低消費電力で広域通信可能なLPWA(Low Power Wide Area)ネットワークは、センサーなどのデータを収集するIoT無線として、大きな関心が寄せられている。その1つであるLoRaについて、こう説明するのは39Meister(サンキューマイスター)代表の菊地大輔氏だ。39MeisterはNTTドコモとハタプロによるジョイントベンチャー(共同)事業で、AI、ロボット、IoTデバイス、IoT向け通信などの技術を活用した総合ソリューションを展開している。

(左から)39Meister 代表|NTTドコモ イノベーション統括部の菊地大輔氏、ハタプロ 代表取締役 伊澤諒太氏
(左から)39Meister 代表|NTTドコモ イノベーション統括部の菊地大輔氏、
ハタプロ 代表取締役 伊澤諒太氏

オープンなLoRaWANLoRaは自営LPWAの代表格だ。アンライセンスバンドの920MHz帯を利用するため、誰でもLoRaネットワークを構築できる。

LoRaを自営するうえでは、LoRaと総称されるネットワークには2種類あることを知っておく必要がある。1つはLoRaアライアンスで標準化されている「LoRaWAN」、もう1つはLoRa変調をベースにメーカーが独自開発した「LoRaプライベート(以下、LoRa)」だ。

標準化されているLoRaWANは構成上、「LoRaWANネットワークサーバー」が必要になるのが特徴だ(図表1)。その他の構成要素としては、センサーなどの「LoRaWANエンドデバイス」、エンドデバイスからデータを受け取る「LoRaWANゲートウェイ」がある。

図表1 LoRaWANの構成イメージ
図表1 LoRaWANの構成イメージ

ネットワークサーバーの役割は、ゲートウェイ経由で各エンドデバイスを制御・管理すること。数百台、数千台規模のエンドデバイスがあっても、ネットワークサーバーがそれらすべてを一括管理してくれるため、LoRaWANは大規模なIoTシステムに向いている。

NECは、LoRaWANに準拠したネットワークサーバーの提供を2017年12月から開始した。そのメインターゲットは通信事業者だが、一般企業向けにも提供する。「ネットワークサーバーの利用形態はオンプレミスと月額サービスのいずれも可能で、利用範囲も企業のビジネススタイルに合わせて柔軟に対応できる」と、NECの高木健樹氏は述べる。

(左から)NEC SDV/NFVソリューション事業部 シニアマネージャーの松田尚久氏、同事業部 マネーャーの高木健樹氏
(左から)NEC SDV/NFVソリューション事業部 シニアマネージャーの松田尚久氏、
同事業部 マネージャーの高木健樹氏

LoRaWANはネットワークサーバーが必要なため、企業はその分のコストを余計に負担しなければならない。しかし、規格に準拠したエンドデバイスとゲートウェイを組み合わせれば、相互接続できるというオープンさがLoRaWANの大きなメリットだ。

大規模なIoTシステムでは、多種多様なセンサーを利用する可能性がある。そんなときLoRaWANなら、ユーザーは特定のベンダーにロックインされることなく、様々なベンダーが提供する多彩な選択肢のなかから適切なデバイスを自由に選べる。

月刊テレコミュニケーション2018年2月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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