「ネットワークの課題とネットワークを自動化した後の課題、この両方を解決するのがApstraだ」。ジュニパーネットワークスの樋口智幸氏はこう主張する。
ネットワークの構築・運用の自動化が急務になっている。ネットワークの重要性と複雑性が増す一方で、設定ミスの防止、ネットワークの迅速な構築・変更、素早い障害検知、運用コストのさらなる削減などが従来以上に求められているからだ。
ところが、これらの課題を解決するため、いざ自動化に踏み出してみても、あらゆる問題を解消できるとは限らないという。自動化すると、また新たな課題が浮上してくるためだ。
「例えば、あるコントローラーを導入して自動化を進めたが、『機器ベンダーごとに異なるコントローラーが必要になる』、『ネットワークがブラックボックス化して障害解析が複雑化した』、『コントローラーが難しくて結局、技術者不足が解消されない』といった課題だ」(樋口氏)
ジュニパーが考えるネットワーク自動化が必要な理由と自動化に実際に取り組むと直面する課題
マルチベンダー対応のインテントベースネットワークApstraは、ジュニパーが提供するインテントベースネットワークシステムである。この6月に最新版の「Apstra 4.0」が発表された。旧名は「Apstra Operating System(AOS)」。ジュニパーは今年1月、AOSを開発していたApstra社を買収した。
インテントベースネットワークでは、ネットワーク担当者が「意図(インテント)」をGUI上で指示するだけで、従来、人手で行っていた多くの設定作業や運用業務を自動化できる。
Apstraの概要
様々なベンダーがインテントベースのソリューションを展開するが、Apstraが最大の特徴の1つとして謳ってきたのはマルチベンダー対応だ。
「買収発表直後は、心配の声もいろいろ聞こえてきた。しかし、ジュニパーはマルチベンダーのサポートを今後もしっかりやっていくと完全にコミットしている。そのため日本のお客様も全く心配されておらず、実際、買収後も追加注文をどんどん頂いている」
樋口氏と同様、ジュニパーによる買収以前からApstraを担当する田中克和氏はこう説明する。
(左から)ジュニパーネットワークス アプストラ製品事業担当
コンサルティングエンジニアの樋口智幸氏と同 セールス担当の田中克和氏