「UC(ユニファイドコミュニケーション)を実現していくとなると当然、ネットワークの強化が必要になる。それを実現していくうえではオラクルのSD-WANは強力なツールとなると考える」。日本オラクルと2019年12月に提携した住友商事マシネックス。同社ICTソリューション部長の高橋良治氏はその理由をこのように考えている。
住友商事マシネックス ICTソリューション部長の高橋良治氏
住友商事マシネックスは、2007年からSkype for Business及びMicrosoft Teams認定のVoIPゲートウェイを国内で販売してきた。
今やMicrosoft Teamsは企業の新たなコミュニケーション基盤として不可欠なツールだ。IP電話やチャット、Web会議ソフトおよびそのデバイスなど多様なコミュニケーション手段を統合することで、場所や時間に縛られない柔軟なワークスタイルが可能になる。月額制で手軽に利用できるクラウドサービスとして普及しており、今後ビジネスにおけるコミュニケーションはICTの力で進化していくだろう。
そんな中で、住友商事マシネックスのUCソリューションにクラウド接続に必要不可欠な安定した強固なネットワーク通信品質を実現するオラクルのSD-WANがラインアップに加わる。企業ネットワーク環境のデジタル変革にあたってはSD-WANが欠かせないとの判断からだ。更なるソリューションの拡充を行うことで、クラウド音声・会議環境から最適なネットワーク環境構築までのトータルソリューションを提供していきたいとの考えだ。
WANがクラウド利用の課題に? 満足度を誇るORACLE SD-WANクラウド利用が手軽になる一方で、企業において課題となっているのがWANである。オラクルでアジア地区のセールスディレクターを務めるジョージ ブーリス氏は「今のエンタープライズWANはカオスな状態です」と語る(図表1 左側)。ネットワーク構成は後から複雑化しやすく、回線の増設やTAP/SPANポートの追加などで非効率なWANになっているケースも少なくない。
図表1 Oracle Failsafe SD-WAN 導入前後のWAN(画像をクリックで拡大)
その結果、遅延、パケットロス、ゆらぎは頻繁に発生している。トラフィックが混み合う時間帯には輻輳も起こる。そのため、大規模なWANでは輻輳に備えて、フェールオーバーの仕組みを導入しているところも多い。バックアップ回線を契約した上で、ロードバランサー(負荷分散装置)などにより自動で別の経路に切り替えてパケットを再送するため、業務が全く継続できなくなることは稀だ。ただし、SaaSなどはそのたびに再接続を要求されるため、エンドユーザーにとっては著しい遅延になる。Web会議などでは再度ログインが必要になる場合もある。
そうした心配が一切ないのがOracle Failsafe SD-WANだ。2018年にオラクルが統合したTalari Networks社のSD-WANが核となっている。Talariは2007年からSD-WANを提供している言わば老舗だ。当然、数多くの導入実績があるが、驚くべきはその利用者たちの満足度が極端に高いことである。
具体的にはOracle Failsafe SD-WANはNPS(Net Promoter Score:企業やブランドに対してどれくらいの愛着や信頼があるかを表す指標)で90を獲得している。「調査は独立した調査会社がユーザーに行いました。業界トップクラスの他ベンダーが提供するSD-WANでも70程度なので、私たちも驚きました」とブーリス氏は語る。
オラクル コミュニケーションズ セールスディレクターのGEORGE BOULIS(ジョージ・ブーリス)氏