楽天グループの通信会社フュージョン・コミュニケーションズは2014年10月29日、格安通話サービス「楽天モバイル」の提供を開始すると発表した。NTTドコモのLTE網を利用したMVNOサービスで、SIMフリー端末と音声通話対応の格安SIMカードのセットと、格安SIMカードのみの2つのサービスを提供する。
音声通話対応SIMサービスの料金は、最大通信速度200kbpsで月額1250円の「ベーシック」、月間の通信容量が2.1GBで月額1600円の「2.1GBパック」、同4GBで月額2150円の「4GBバック」、同7GBで月額2960円の「7GBパック」と4種類のプランを用意。ベーシック以外のプランの通信速度は下り最大150Mbpsで、通信容量を超えると200kbpsに規制される。このほか、2.1GBパックは3日間で360MB、4GBパックは同400MB、7GBパックは同1.2GB以上のデータ量で規制対象となる。なお、規定の通信容量が超過した場合、100MBにつき300円で追加することが可能だ。
楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏 |
楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は、「日本の携帯電話の月額料金は平均7263円で、米ニューヨークに次いで2番目に高い」と指摘。楽天モバイルの場合、2.1GBパックを利用し、30秒あたり10円の「楽天でんわ」で月に30分通話したと仮定すると月額2200円で、大手キャリアが提供する通話定額プラン(データ通信は2GB)の月額6500円の約3分の1に抑えることができるという。従来の2年縛りではなく、12か月縛りに短縮したことも魅力の1つだ。
ASUSが発表した「ZenFone5」 |
セット販売する端末はASUS JAPANが今月28日に発表したSIMフリースマートフォン「ZenFone 5」の8GBモデルを採用する。高速プロセッサーと大容量メインメモリを搭載し、「サクサク軽快に動く」(三木谷氏)という。端末価格は2万6400円で、支払い方法はクレジットカードによる一括払いのほか、分割払いにも対応する。楽天の子会社であるバイバー・メディアが提供する無料通話・メッセージアプリ「Viber」と、楽天でんわのアプリがプリインストールされており、通話料を抑制できる。12月と来年2月にも新たな端末を投入する計画だという。
楽天モバイルは、楽天会員でクレジットカードを登録済みであれば、会員データで本人確認が行えるため、最短5分で申込が完了する。楽天グループの会員が約9400万人、楽天カードの会員が約1000万人という規模を活かし、今後3~4年で販売台数1000万台を目標に掲げる。