「今後数年で48.0%の企業が利用を開始する」――。昨年、IDC Japanがこんな予測を発表して話題を呼んだ(関連記事)。
約半数の企業が導入すると予測されているのは企業内ソーシャルだ。FacebookやTwitter、LINEなどでお馴染みのソーシャル技術を、企業内コミュニケーションの活性化や情報共有の効率化などに応用したのが企業内ソーシャルである。エンタープライズソーシャル、社内SNSなどとも呼ばれている。本稿では、基本的に社内SNSと呼ぶことにする
日本では2007年ごろから社内SNSの活用が始まったが、飛躍の年を迎えたのは2011年だ。ちょうどその年の1月に、Facebookの創業者をモデルにした映画『ソーシャル・ネットワーク』が国内公開。SNSに対する認知度は一気に高まり、社内SNSの導入にも火がついた。「2011~2012年にかけて本当に大きく躍進した」。社内SNS「Salesforce Chatter」を提供するセールスフォース・ドットコム マーケティング本部 プロダクトマーケティング シニアマネージャーの田崎純一郎氏はそう証言する。
社内SNSへの関心の高さは、グーグルでのキーワード検索回数からも見て取れる。大手企業向けの社内SNS「SKIP」(関連コンテンツ)を提供するソニックガーデン 代表取締役副社長 COOの藤原士朗氏によると、「社内SNS」というキーワードでの検索回数は、今や「グループウェア」の検索回数と肩を並べるレベルになっているという。「社内SNSという言葉がかなり浸透してきていることが分かる」(藤原氏)。
IDC Japanが今年7月、従業員10人以上の企業1058社を対象に実施した調査によれば、社内SNSを利用している企業は回答した854社のうち、16.5%に上った。もはや社内SNSは、企業にとってもの珍しいコミュニケーションツールではない。
図表1 例えばこんな著名企業たちも社内SNSを活用している | |||
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「従来ならメールでやりとりするのが当たり前だったが、プライベートでは今やLINEやFacebookが主流。メールを使う機会は少なくなっているが、同じことが仕事上でも起きていると我々は理解している」。社内SNS「Co-Work」や「エアリー」を提供するガイアックス コーポレートコミュニケーション推進部 Co-Workサブ・リーダーの小谷美佳氏はこう話すが、社内SNSの業務活用は企業にとって“当たり前”のものになっていくだろう。