サイレックス・テクノロジーは2025年8月20日、Wi-Fi 6/6Eに対応した組み込み用無線LANモジュール「SX-SDMAX6E」を発表した。半導体大手NXP Semiconductorsの最新チップセット「IW623」を世界で初めて搭載し、安定した高速通信と低消費電力を両立させているという。
サイレックスの無線LANモジュール「SX-SDMAX6E」の製品イメージ。「SX-SDMAX6E-2530S」が表面実装タイプ、「SX-SDMAX6E-M2」がM.2コネクタタイプ
同モジュールは2.4GHz/5GHz帯に加えて6GHz帯が利用可能で、既存の無線機器との干渉を避け安定した通信を実現する。ホストインターフェースには低消費電力かつ組込み機器で広く利用されるSDIO(Secure Digital Input Output)を採用し省電力性を高めたことで、バッテリー駆動の医療機器や産業用デバイスへの搭載に適するとしている。可搬型の超音波診断装置やインカムなど、高信頼性が求められる機器が主な用途として想定されている。
また、Wi-Fi 6/6Eによる高速データ伝送に加え、Bluetooth 5.4にも対応。産業温度(-40~+85℃)での動作を保証し、厳しい環境下での使用も可能。サイレックスはNXPと2013年から技術提携を行っており、同社と共同でドライバーの検証・改善を重ねることで、通信品質や開発効率を高めているという。
製品は表面実装タイプとM.2コネクタタイプを用意。NXPの長期供給プログラムに基づき、長期間の安定供給を前提としている。詳細仕様は2025年10月に公開予定で、販売開始は2026年4月を見込む。価格はオープン。