Coltテクノロジーサービスは2025年7月1日、同社のNaaS(Network as a Service)プラットフォームに、ユーザーがパケットネットワークをほぼリアルタイムで選択・定義できる新たな機能「Smart Path」を追加する実証実験の開始を発表した。
Colt バイス・プレジデントのピーター・コペン氏
Smart Pathは、企業が自社のニーズに応じて最適なパケット経路を選べるように設計された。例えば、最も低遅延のルート、レジリエンス確保のための海底ケーブルルートなどを選択可能で、トラフィックを特定の国・地域内に留まるように設定しデータ主権要件に応じた通信経路も構築できるとしている。
また、実際のインベントリ情報に基づき、ネットワーク・ルーティング、帯域幅、契約条件の変更を数分で行えるという。さらに、NaaSユーザーインターフェースを通じたリアルタイムのネットワーク・オーケストレーションで、新サービスの利用も数分で可能になるということだ。各ルートにおけるカーボン排出量も可視化され、企業のサステナビリティ対応も後押しするとしている。
実証実験では、Coltの顧客であるメディア業界の企業がSmart Pathを試験導入し、ライブ配信イベントにおけるネットワークパフォーマンス管理に活用される予定だ。従来の手動での注文プロセスを排除し、ネットワーク経路の定義と適用をほぼリアルタイムで可能にすることにより、サービス提供までの時間を短縮。映像の中断を防ぎ、レジリエンスと低遅延を両立させることが狙いとなる。
Colt バイス・プレジデントのピーター・コペン氏は、「クラウドでコンピューティングやストレージを簡単に選んで即時に利用できるように、ネットワーク経路も同様に容易かつ自律的に選べるべきです。(Smart Pathによって)企業は自社の目標に合ったルートを選択し、それ以外を回避できます」と述べている。
Smart Pathは、2025年末までにNaaS機能の一部として商用提供を開始する予定。