日本最大級の無線通信の専門展示会「ワイヤレスジャパン×ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP)」が今年も東京ビッグサイトで開催される。
2025年のテーマは「ワイヤレスで全産業へ広がるAI革命」──。生成AI、AIロボットなど、いまAI技術が急速な進化を遂げているが、このAIの力をあらゆる場所、あらゆるユースケースでフル活用していくうえで必要な最先端の無線通信技術とソリューションが集結する。
6Gの最前線は? ローカル5Gサミットも開催
それでは、今年のワイヤレスジャパン×WTPの見どころを紹介していこう。
まずは6Gだ。我が国の無線研究の中核を担うNICT、NTTドコモらが6G時代に向けた最新の研究成果や取り組みを披露する。
日本のモバイル産業の成長力強化などを目的に活動する産学官の推進団体であるXGモバイル推進フォーラム(XGMF)も出展。XGMFによる「6G最前線:世界の動向と日本の戦略」には、XGMF代表である東京大学 教授の中尾彰宏氏が登壇するほか、XGMF 6G推進プロジェクトリーダーでNTTドコモ CSOの中村武宏氏をモデレータに迎えたパネルディスカッションなども行われる。
特別企画「ローカル5Gサミット in WJ×WTP 2025」にも注目だ。話題のローカル5Gソリューションが一堂に会する。総務省 移動通信企画官の佐藤輝彦氏による「ローカル5Gの更なる普及拡大に向けた総務省の取組」をはじめ、ローカル5Gをテーマにした講演も大充実だ。
AI革命支えるIoT無線 大学や高専生の最新成果にも注目
都市、ビル、各種公共インフラなどのDXやAI革命を支えるIoT無線/LPWAの代表的規格も大集合する。Wi-SUNアライアンス、ZETAアライアンス、802.11ah推進協議会(AHPC)/無線LANビジネス推進連絡会(Wi-Biz)が大型ブースを構え、最新動向などを紹介する。
さらに、工場・物流・医療など多様な無線システムの安定化に先進的に挑むFlexible Society Project(FSPJ)、宇宙ビジネスの拡大に向けて活動するスペースICT推進フォーラム(SPIF)、モバイル技術の利活用拡大に取り組むモバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)らも大型ブースで出展する。
また、全15大学が最先端の研究成果を紹介する特別企画「アカデミア・イノベーション・ミートアップ!(AIM)」、全国の高専生が無線技術の利活用のアイデアなどを競う「高専ワイヤレステックコンテスト2024(WiCON)」の成果発表会も見逃せない。次世代の無線技術の開発・実装に不可欠な測定器・テスターの主要ベンダーも勢揃いだ。
基調講演も豪華である。総務省電波部長の荻原直彦氏をはじめ、NTTドコモ、KDDI総合研究所、ソフトバンク、楽天モバイルのキーパーソンなど、ワイヤレス・モバイル業界を牽引している第一人者が続々登壇する。
「2024年問題」後の運輸・物流業界 3つの切り口で課題解決
併催される「運輸安全・物流DX EXPO 2025」は、運輸・物流業界向けソリューションの専門展示会だ。なかでもドライバーの業務をデジタルの力でサポートする製品・サービスに特化している。
昨年大きな話題となった「2024年問題」から1年が経ち、明らかになったことの1つは、さらなる業務改善や生産性向上の必要性だ。今年は、事故防止・健康管理・業務支援の大きく3つを切り口に、70社の出展社の製品・サービスが集結する。昨年に引き続き、AIを活用した運輸・物流業界向けソリューションも注目を集めそうだ。
流通経済大学 教授の矢野裕児氏による「物流改革は進んだのか。物流が抱える課題と今後の方向性。」、船井総研ロジの齊藤史織氏による「物流業界の最新動向と勝ち残る方法〜AI・DXを実装して生産性と業績を上げる具体的事例〜」など、人気講師によるセミナーも目白押しだ。
あらゆる産業を巻き込みながら、AI革命が進行しているが、その最前線といえるのがワイヤレス・モバイルと運輸・物流である。AI革命に乗り遅れないためにも、5月28日〜30日の3日間は東京ビッグサイトで最新の技術とソリューションを体感しよう。